2019年3月3日日曜日

赤土の城

 先週と今週のセンゴク権兵衛の感想。

 物見櫓より、山中城を遠望する秀吉と家康。石垣を用いてない山中城を見て、力攻めを選択する。

 秀次の筆頭家老、田中吉政の元に山中城の土が届けられる。彼はその土を食べ、味が違うと言うのであった。

 地元の猟師と共に秀次に献上する雉を獲っていた権兵衛。その時、滑って転びそうになってしまう。そこで気づき、猟師からも土が違うと聞く。山中城から先の関東は赤土。現在で言う関東ローム層である。滑りやすいこの土は、焼き物や農業には不向きな土である。反面、城造りには有利に働く。他よりも高く、滑りやすい土塁が出来るのだ。
 これこそが、北条の城の堅牢さを作り出しているのだ。

 陣借りの権兵衛に吉政から招集がかかる。そこには見知った大名、一柳、山内、中村もいた。つい昔の感覚で権兵衛は話しかけるが、皆は返答の代わりに咳払いをするだけだった。権兵衛は己の立場を弁え、下がるのだった。
 吉政が皆を呼び出したのは、ここの土が普通の土を違うことを知らせる為だった。権兵衛もここぞとばかりに、赤土は滑ると叫ぶが咎められる。
 さて、吉政は力攻めは控えるべきと考える。だが、秀次の意向、そして秀吉も力攻めを決断した。すでに諫言は能わず、ならば身命を賭して山中城を落とすと言う。その言葉に皆は鬨の声を上げるのだった。

 皆が帰る中、吉政は権兵衛に声を掛ける。吉政も権兵衛の事は知っていたのだ。吉政は権兵衛が陣借りにしては勇んだ目をしてないのを疑問に思い、声を掛けたのだ。権兵衛は答えて、それで失敗し、ここで野盗扱いされてると言う。吉政は重ねて尋ねる、何しに来たのかと。権兵衛は戦場がしっくり来るからと答える。
 吉政は持っている握り飯を権兵衛に勧め、言う。救援部隊に回ってくれぬかと。

 権兵衛はこれを快諾した。しかし部下達は不満であった。権兵衛はこれが天命と思い、さらに失敗の恐ろしさを誰よりも知っている自分たちこそ相応しいと言う。だが、部下達は渋々認めるのであった。

 ついに、山中城の攻城が始まる。出丸への先陣は一柳、中村、山内の3隊である。しかし、秀次に最初に届いたのは大名格の将の討死の報であった。

 討ち取られたのは一柳直末。やはり、土が滑って大将を守れなかったのである。配下の者が影武者をするも、一旦退かざるを得なかった。

 その報を聞き、立ち上がる秀次。前野長康に落ち着くよう言われるが自分は冷静だと言う。秀次は家康に敗れた時より学んで来たと言い、その戦術眼を示す。
 一柳隊はまだ士気が落ちておらず、退かせれば逆に全体の士気が落ちると秀次は見る。大将無き一柳隊は大手を攻めるふりをさせ、囮をする。中村隊に後詰を送りこちらを主攻とする、そういう考えだった。
 一柳隊に援軍を送らぬ冷徹さ。前野は了承し、命令を伝えに行く。吉政は、秀次自身も攻め登るを逸らぬように言い、秀次も了承する。

 権兵衛達に命令が下る。あえて中村隊を救援する事に、秀次がここが攻め時と考えている事を権兵衛は悟る。その事を配下にも伝え、武功に焦らぬよう言い救援に向かう。

 物見櫓から戦況を眺める秀吉は不満であった。敵の何十倍もの兵を持っているのだ。イチかバチかの攻勢に出るなど天下人の戦では無い、そう思った。だが、すでに攻勢に出た後である。秀吉は法螺を呼ぶのであった。

 中村一氏は攻め倦ねていた。他の隊が動かぬからだ。配下の渡辺了は今が覚悟する時だと言う。そして、そこに秀次からの救援が届く、今が攻め時との命と共に。
 一氏は主力が敵を抱える間に遊撃部隊を攻め上がらせる。そして救援に駆けつけた権兵衛にも遊撃の渡辺を助けるように言う。遊撃の助けの為に、はしごの支えや肩を貸す仙石隊。そんな土塁越えの最中、秀吉の法螺の音が鳴り響く。総攻撃の合図である。
 土塁を越え、出丸に侵入する渡辺を始めとする遊撃部隊。しかし、彼らの前に現れたのは北条系城郭の妙、障子堀である。


 まさかの、田中吉政の登場である。これは予想外ですね。近江八幡や岡崎柳川など築城でしられる彼だから、土の違いをしれたのですね。おにぎり持っていたりしてたのは、領内を弁当持って見回ったエピソードからですかね?たしかそんなエピソードがあったはず。今後の活躍が楽しみです。

 そして、秀次。確かに有能になりましたね。冷徹な判断も出来るし。ただ、ちょっと秀吉と考えがずれているのが心配です。まぁ結末は、ああなるんですけどね。

 波乱の山中城攻城戦。次に現れるのは障子堀です。堀障子って書いてありましたけどそれでも正解なのかな。兎に角、ワクワクな展開が続きますね。楽しみです。

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