2018年8月26日日曜日

離れる心

 今週のセンゴク権兵衛の感想。

 戸次川の戦いから二年が過ぎていた。
 京の権兵衛の元に藤が訪れる。年始の挨拶と権兵衛から今年の抱負を聞くためだ。もっとも藤は抱負は去年と同じだろうと予想していた。
 そして、藤と一緒に娘の葛も会いに来たのだった。
 若干取り乱しつつも、二人に京を案内する事にする権兵衛。藤から抱負を聞かれると適当に去年と同じと言った。
 葛を前に空回りする権兵衛。ビードロを見て、亡き夫のビードロを思い出す葛に、同じビードロだろと権兵衛は失言する。
 藤に尻に敷かれ、情けない権兵衛。その姿は昔と変わらなかった。
 葛は言う、今日の事は忘れない、と。


 淀城で寛ぐ茶々と秀吉。茶々は聚楽第に行きたいと秀吉に頼んでいた。
 お腹の子を皆に見せたいし、いろんな事を経験させたいと言う。
 秀吉は特に反対もせず、仲睦まじく会話をする。
 そんな中、話題は茶々の飼っている鶯の話になる。季節外れに鳴く鶯に困っているのだ。秀吉は、番になれなかったからだ、と言い鶯を外に放した。それを見て茶々はお優しいと言うのだった。


 茶々が聚楽第に来る。その報を聞いて奉行衆は天地仰天となった。
 実は、聚楽第の壁に落首がされていたのだった。すでに消されたその落首は秀吉の政治に対する不満だけでなく、茶々の妊娠を揶揄する言葉も含まれていたのだった。
 当然、隠したかった。しかし、相手は天下人秀吉。隠し切れる筈もない。すでに京ではこの噂が広がっている。
 結果、秀吉に報告し裁可を求めることにした。

 報告を受けた秀吉は静かに怒る。
 自分たちがどう言う気持ちで事を成したか。民は少しも理解しようとしない。自分が幾ら民を慮ろうとも、民はそうではない。所詮この程度の者らなのだ。気を使うなんてバカバカしいではないか。
 秀吉は言う。噂を話す者や、耳にした者、それらをすべて罰する事は出来ない。
 だが、警護を担当した者、それを書いた者、そしてその縁者尽くを、殺せ。
 そう命を下した。


 
 なんか権兵衛の知能のステータスが戻ったような回でしたね。まぁ、家族といるからかな?少しづついい方向に行ってる気がしますね。
 そして、秀吉は悪い方向に行ってます。若干、人間不信になってる気もします。徐々に徐々に歯車が狂っている、そんなもの悲しさがあります。しかも、史実ならこの後回復出来ないですからね。古溪が権兵衛が入ればと言ってましたが、まだ間に合うのかな。
 そして落首事件。来週もやるなら久しぶりに顕如が出てくるのかな。モノローグだけで終わりかもしれないけど。
 本願寺の元に犯人がいたから、本願寺の力を削ぐ理由付けが出来たとも言われるこの事件。その辺も触れるかな?
 次回も楽しみですね。

2018年8月19日日曜日

変わるもの変わらぬもの

 合併号にだった、今回のセンゴク権兵衛の感想。


 権兵衛が北野天満宮に祈っていると、同じく祈る人が。なんと、古溪和尚だった。
 なんと、古溪は配流される事になったのだ。
 曰く、信長の菩提を弔う寺を建立する予定だった。しかし、秀吉側の都合でずっと計画が進まなかった。が、この度、渡したお金の返却を求められた。だが、すでに前払いしてしまっていた。故に横領と見なされたのだ。
 だが、古溪は秀吉を恨む事なく、むしろ理解するのだった。

 二人で祈り、籤を引く。凶を引いた古溪に権兵衛は自身の吉を渡す。毎日引いてるからと。
 こうして、古溪は京を後にしたのだった。


 秀吉は新たな金貨、天正大判を作っていた。得意満面に奉行たちに見せていた。最初は豪商ぐらいしか使えぬだろうが、ゆくゆくは全国に流通させよう。そう皆と話していた。
 しかし佐吉だけが神妙な顔で何も語らなかった。

 詰所に帰ってきた奉行達。当然、先程の佐吉の態度を尋ねる。
 佐吉は言う。不可能を可能にしてきた秀吉。今も財政難の時に経済政策が次々と湧き出ている。その破格の才を前に自分たちは余計な事をしない方が良いのでは。そう考えていたのだった。


 年の瀬、師走。
 秀吉の元に耳を疑う報が入った。弟、秀長の家臣が材木の横流しをしていたのだった。
 静かに、だが確実に秀吉は怒っていた。笑わぬ目で報告してきた者に問う、秀長の指図だったのか、と。冷や汗を流しながら、違うと答える。すると秀吉は、ならば横流しに気づかぬ無能か、と。使者は秀長は病気がちになったので仕方無いと庇う。
 自らの命を捨てるとまで言う使者。そんな彼に秀吉は、大判一枚の価値も無い、と冷たく言って去っていた。

 秀吉の向かった先は淀城。茶々に慰めて貰おうとやって来た。秀吉は言う、遂に弟にまで疑惑の目を向ける猜疑心の塊になってしまった、と。
 そんな秀吉に茶々は、子は裏切らぬと言った。


 年が明け、年始の挨拶。そこに秀長の姿は無かった。

 多くの大名等が集まり宴会する。そこで年を取った者らは、武勲を語りながら、天下静謐を喜んだ。しかし、清正、正則の目には今より昔を懐かしんでる様に見えた。そんな二人に、武勲無く大領を得た、そんな揶揄を含んだ言葉を投げる。一触即発、そんな中また別の者が仲裁する。そして言う、皆戦場が懐かしいのだと。
 未だ、天下に静謐の空気は流れてない。


 と、結構盛りだくさんな話でした。
 秀吉は、どんどん暴君への道を歩んでる感じですね。その一方で冷静にそれを分析出来ている。だからこそ余計、可哀想になりますね。
 あと、茶々の言葉。後年考えると、物凄く重要な事を言いましたね。茶々は軽い感じで言ったかもしれないけど。秀吉にとっては重い言葉になったのかな。

 そして久しぶりに出てきた、清正と正則。この二人含めて、誰も天下静謐を望んでないと言うか、戦を諦めきれてない感じがあります。これは、後の北条、そして唐入りの伏線にもなるのかな。それだけでなく、その時の空気、って感じですかね。この空気が完全になくなるのは大坂の陣だろうけど、そこまで描くのかな?関ヶ原のも解らないからそこまでの伏線にはならないかもしらない。
 兎に角、大名達に流れる空気も含めて、北条戦に行きそうですね。
 次回も楽しみです。

2018年8月5日日曜日

女心と秋の空

 今週のセンゴクは休載だったので、先週の感想を。


 崖の上に設えた月見台。その上で茶々と小坊主は情事に耽る。
 
 それを秀吉は見ていた。刀をてに取り、小坊主を斬ろうと駆け寄る。
 しかし、秀吉が刀を振るうよりも早く、茶々が崖下に小坊主を投げてしまった。

 放心状態の茶々。秀吉は彼女を抱きしめ慰めるのであった。


 関東の大大名北条氏。その当主氏直の叔父氏規が上洛する。
 秀吉と奉行衆はその対応を話し合っていた。
 秀吉は、氏規に衣冠束帯ではなく、直垂で参加させようと考えていた。
 曰く、氏規は無官であるから、と。

 当日。衣冠束帯姿の諸大名が並ぶ中、氏規は直垂で末席に座っていた。
 秀吉からの圧力に只々、頭を下げ続ける。
 秀吉は氏規の言葉が北条全体の意思か、と問う。氏規は肯定するしかなかった。
 そして、秀吉は氏規のそばまで行き、手を取り、真心が大切だと言い労った。

 参詣から時が立っていた。茶々は秀吉の行動から彼の真心を感じた。
 そして、秀吉に惚れたと言う。



 茶々、チョロくない!?大野さんもびっくりしてたけど。
 まぁ、いろいろ気を張っていた所に優しくされたから…かな。小坊主殺しても動じなかったのもあるのかな。
 ともかく、ここで秀吉に対する考えが変わりましたね、茶々は。やはり初めは復讐込みで近づいたんのかね。まぁ、この先の歴史を考えると……あまり、喜ばしいものではないよね。


 そして、いよいよ北条が出てきましたね。氏規に衣冠束帯貸そうしたのは家康ですよね。取次役で幼馴染とも言われてますからね、やさしい。


 秀吉の事、権兵衛の事、茶々の事。それぞれ一区切りで北条戦へと突入するのかな。
 権兵衛、最大の挽回劇。楽しみです。