センゴク権兵衛、219話から226話の感想。
秀次事件は収まったものの、その余波はそこかしこに燻ぶった。
浅野長吉は他の奉行から距離を取り、家康に益々接近する。
権兵衛も距離を取る事になる。そしてお江が秀忠に輿入れする時の護衛役を承った事により家康、秀忠との仲が深まる。
一方、明は貿易を拒否し、秀吉を日本国王にする事で講和を図る。
三成ら奉行衆は根回しをするも、不首尾。小西と共に秀吉の説得に当たる。
怪異が続いていた事を天から叱責と捉え、秀吉はこれを受諾する。
これにて講和が纏まるはずであった。
しかし、秀吉は泰平の世が色褪せて見えてしまった。
一人、三成を呼び再出兵を告げる。秀吉もまた、戦を終える事が出来ない一人であった。
簡潔に纏めて、こんな感じです。
秀吉が再出兵を決意するところは権兵衛の戸次川を思い出しますね。
他にも、石川五右衛門や彼に組した者。泰平の世に希望が見出せぬ者たち、その筆頭が秀吉である。これでは安定した政権は築けないですね。
そして、三成にとっては一番否定したい考えを主君が持った不幸、そう見えてしまいます。
秀吉の想いは呪いの様にも見えます。その先が関ケ原、でしょうか。
秀次事件の後、表面上は何事も無く収まった。けれど、確実にその後の崩壊の種は蒔かれました。そして再出兵は確実に崩壊への舵取りとなりました。
秀吉は確実に、天から背いてしまった。自分で天に従うべし、と言っていたのに。
秀吉の死まで三年余り。夢幻の世もあと少しです。