2018年7月22日日曜日

祈る者

 先週と今週のセンゴク権兵衛の感想。


 天下人秀吉を、何処か達観した表情で眺める権兵衛。このままここに居ても気づかれないと思ったか、権兵衛たちは立ち去った。

 秀吉は一瞬、知ってる者を見かけた。しかし、権兵衛とは気づかなかった。それ以上深く追求せず、大仏殿建立の祭りを催す。
 華やかな祭り、皆が秀吉を賛美する。だが、能を披露しようとしたところで雨が降ってきてしまう。すると、皆は今度は秀吉を批難し始めるのであった。


 茶々の元に訪れ、その事を愚痴る秀吉。しかし、茶々からは思いも寄らぬ提案をされる。
 子を成す為に願掛けしたい、と。
 その意味を知っている秀吉は、願掛けした者を殺すかもしれぬ。そう言う。しかし、茶々の決意は固い。秀吉は願掛けを許可するのだった。


 権兵衛は足繁く、北野社へ参詣していた。
 その中で、これまでの事に結論を出していた。

 それは「今」以外を見始めると失敗する。そう言う事だった。

 大名になって今を見れなくなったから、人生の充足感が薄れていった。
 それを求める為、島津に戦を挑んだ。そして道を外れてしまった。

 汚名も罵倒も消える事は無い。それでも、再び大名への道を歩く。そう決意した。


 刀狩令、海賊停止令などの政策を矢継ぎ早に成立させる。
 これで海外交易に道がつくはずだった。聚楽第、淀城などの普請の為に船を作る木材が不足していたのだ。
 秀吉は奥州の木材を使えばいいと言う。そして、木材を海路で運搬する時の中継点として東海地方を指し示した。
 そこは徳川の領地。奉行たちは徳川にやらせるのか、と驚いた。だが、秀吉の考えは違った、徳川は関東に転封し、豊臣で抑えるとの事であった。
 だが、徳川が大人しく従うか、奉行は心配だった。しかし、すでに家康は約束し、徳川家臣の異論も抑えると言っていたのだ。
 秀吉は奉行たちに言う。出来ぬばかり言うものでは無い、と。


 茶々の子宝の願掛けが始まった。彼女の世話を焼く小僧の一人と懇ろとなる茶々。
 願掛けの最中思い出す、父浅井長政の言葉を。長男は殺される、だから長女の茶々が長子の代わりになるよう。そして母お市もまた、そのように厳しく接すると。
 そうして、茶々は弓馬の道にのめり込んだのだった。


 割と願掛けの描写しっかり描くんですね。もっと濁すかとおもった。
 あと最後に出てきたのは秀吉かな?暗くてよく解らなかったけど。

 ようやく、権兵衛は歩み出した。って感じですね。逆に秀吉は迷い始めたのかも。
 この辺の対比はわざとな気がしますね。

 あと、なにげに北条討伐が既定路線っぽくて秀吉怖いな、と。
 北条征伐なしに徳川を動かせないからね。

 いろいろと物語が動いています。次回も楽しみです。

2018年7月8日日曜日

それぞれの道

 今週のセンゴク権兵衛の感想。


 権兵衛の正室、藤が上京した。彼女が訪ねたのは実家、野々村の家である。
 藤が通された先には夫、権兵衛がいた。
 金子を持ってきた藤。使いの者を出せば十分なのに権兵衛が彼女を呼んだのは勿論理由がある。再び大名に返り咲く事を藤に言う為だ。
 権兵衛は言い淀むが、藤は気づいた。そして、お好きにしなさい、と冷たく言った。
 大名の復帰を支持しない、否定する、と言う。しかし、権兵衛の耳元で囁いた、それが似合っている、と。

 
 茶々は焦っていた。弓馬の道は心得ていても、男女の事はさっぱりで、どう上り詰めたらいいのか解らないでいた。
 自分より上の竜子や摩阿は自分に無いものを持ち、これを乗り越えるのは至難の業。そう茶々は考えていた。
 そこで大野は子宝祈願の為に寺社に籠もり願掛けする事を提案する。しかし、相当な覚悟も必要であると。
 茶々は言う、覚悟だけなら誰にも負けない、と。


 ある日、権兵衛は東寺へと参拝に来ていた。しかし目的はそこではなかった。
 この日、東寺から一里ほどの所に、秀吉が大仏建立の為に現れるからであった。
 人々は東寺までごった返していた。このままでは、秀吉に気が付かれない程の人の多さであった。
 大勢の人の前に秀吉が現れる。すると、皆、次々と平伏していく。
 まさに、頂点を極めし天下人である。



 茶々のあの下りは、秀頼非実子説を匂わせるのかな?まぁ、この時のは秀頼の兄だけどね。
 はっきりとは言わず、そのへん濁らせるとは思う。そのぐらい疑問が残るけれど、物的証拠も無いしね。
 いよいよ、権兵衛は本格的に大名への復帰を模索するのかな。後、茶々の話はどう展開するんだろう。対北条戦までどう話が進むか、楽しみです。