2019年3月31日日曜日

それぞれの想い

 今週のセンゴク権兵衛は休載だったので、先週号に載った回の感想。

 秀次自身が城攻めし、僅か半日で陥落させた山中城。これは望外の功であった。
 秀吉は天下人の戦では無い、と言いつつも敵に与えた衝撃は大きいと言った。秀次の功を喧伝する事にする。が、前野や桑原は秀吉旗下の黄母衣衆の投入こそが勝因と言うのであった。
 ともあれ、秀吉は秀次にも真心を注いでいる、そう言うのであった。


 秀次の元に吉政が現れる。今回の武功を褒める為である。しかし、秀次は険しい顔をしていた。彼は解っていた、自分が焦っていた事を。今回は偶々武功になったのだと。
 吉政は言う。とかく成功した、と。これで次代の天下人は秀次と皆は見ると。
 秀次は言う。叔父上の喜ぶ顔が見たいと。

 仙石隊は遺体の収容をしていた。籐兵衛は村吉に言う。此度の消極策は英断と。大名の一柳までもが討死している、仙石隊が全滅していてもおかしくない。
 一方、村吉は言う。悲壮な覚悟で来た者もいる。渡辺了の武功を目前としているのだ、腑に落ちない者がいてもおかしくないのだ。
 これでは、まるで。そう言いかけた村吉の言葉。それに続くように三国一の臆病部隊と言う声が聞こえた。遺体を運びつつ現れた権兵衛の声であった。
 権兵衛は言う、まずは大局が一番と。そして更に言う。あの時嫌な予感がしたと。
 もし、あのまま乗り込んで武功争いになれば、下手したら逆さ磔になる。その可能性もあったと権兵衛は言う。
 藤兵衛は考え過ぎと言うが、そこに渡辺了と黄母衣衆がもめとるとの噂が聞こえてきたのであった。

 さて、再び吉政に呼び出された権兵衛。そこで秀吉と秀次の関係を相談される。
 政治的な思惑も重なり、心から秀吉が秀次を褒めてくれるのか、と。
 秀次は言う。こればかりは直接会わねば分からんと。そこで吉政は秀吉の様子を見て欲しいと言うのだが、当然不可能。権兵衛は自分は牢人だぞ、と反論する。
 うっかりしていた、そう答える吉政。と同時に権兵衛の復帰を願う。無論権兵衛も早く復帰したい。だからこそ、とりなして欲しいと言う。
 しかし、根回しも癒着扱いされる昨今である。吉政は難しいと言うのであった。


 秀吉は他の物が見ている前で、秀次を大いに褒める。徳川との敗戦を許し。尚且、学んび成長した秀次を天下人として申し分ない、と称える。
 秀次は涙を流し喜ぶのであった。

 秀吉へは様々な者から手紙が来る。その中には女房衆もある。秀吉は返信で、淀殿だけでは無く、他の大名達の妻も呼び寄せようと書いたのだ。と、同時に鶴松への想いも。

 そんな事は知らない権兵衛は、秀吉に気付いてもらえるように兜の装飾を伸ばそうか、とか考えているのだった。


 最初、馬の角を伸ばすのかと思った。
 よく見ると、サジの後立を触っているんですね。

 さて、秀吉と秀次の間は微妙な空気ながら、秀吉の人たらし部分が復活しているので上手く言ってますね。このまま何もなければ、豊臣政権は盤石ですね。
 でも、そうはならなかったんだよ……

 あと、権兵衛は上手く行きそうで行かない、って感じ。少なくとも最悪は避けれているけど。とはいえ、その時は近いのでしょうけどね。

 山中城を抜き、次は小田原城です。この先も楽しみですね。
 

2019年3月17日日曜日

呆気ない幕引き

 今週のセンゴク権兵衛の感想。

 遊撃隊を登らせた後、それに続き権兵衛達も土塁を登る。
 登った先には堀。その底には何人もの兵が落ちていた。それを見て部下達は先を急ぎ武功を立てようと言う。しかし、権兵衛は助けるのが天命と言いはしごを持ってこさせる。
 藤兵衛らはその命を支持し、仙石隊一丸となって仲間の救出に乗り出すのだった。

 堀を越え、出丸に侵入した渡辺率いる遊撃隊は三ノ丸方面へと進撃する。しかし木戸口の守りが固く、撃退される。守る松田康長は、大きな声で兵を鼓舞していた。

 だが、状況は悪かった。北条氏勝は松田を呼び、援軍を頼む。搦手から侵攻する徳川軍が精強だからだ。松田は快諾し、その上で言う。氏勝に逃げるようにと。
 松田は、大軍ゆえの油断を期待したが、その様子はまるで無い。このままでは半日も持たないのが彼の見立てであった。氏勝はその提案を受け入れ、城を出る。そして松田は城と運命を共にするのであった。

 一見、無謀に見えた秀次の力攻めは成功した。歴戦の将達が容赦なく、連携をして城を攻める。
 中村隊が城内に侵入。搦手を攻める徳川軍に対して兵が集中する。この兵の移動に紛れて遊撃隊が二之丸まで侵入に成功した。
 豊臣軍諸将が攻め立てる中、秀吉は精鋭の黄母衣衆を投入する。
 松田康長は討死し、狂騒の中引き鐘がなる。難攻不落の堅城、山中城は僅か半日で落城したのだ。それは豊臣の強さを知らしめるに十分過ぎる事であった。
 しかし、犠牲も多かった。敵味方で二千近くも死亡したのであった。

 そんな中、味方の救出をしていた権兵衛は武功無しで終えたのであった。


 色んな意味でエゲツない、物量作戦で山中城は落城したました。そういえば、紀州辺りでもそうでしたね。というか、そこが物量作戦の嚆矢にしてましたね。

 十分過ぎる戦果を上げた豊臣軍。次はそのまま小田原攻囲ですね。その後は支城の戦いも描くのかしら。と、言うか権兵衛の活躍はどこで描かれるのか。色々と気になる事が多いですね。
 あと、家康とどこかで対面するのかな?次回以降も楽しみですね。

2019年3月3日日曜日

赤土の城

 先週と今週のセンゴク権兵衛の感想。

 物見櫓より、山中城を遠望する秀吉と家康。石垣を用いてない山中城を見て、力攻めを選択する。

 秀次の筆頭家老、田中吉政の元に山中城の土が届けられる。彼はその土を食べ、味が違うと言うのであった。

 地元の猟師と共に秀次に献上する雉を獲っていた権兵衛。その時、滑って転びそうになってしまう。そこで気づき、猟師からも土が違うと聞く。山中城から先の関東は赤土。現在で言う関東ローム層である。滑りやすいこの土は、焼き物や農業には不向きな土である。反面、城造りには有利に働く。他よりも高く、滑りやすい土塁が出来るのだ。
 これこそが、北条の城の堅牢さを作り出しているのだ。

 陣借りの権兵衛に吉政から招集がかかる。そこには見知った大名、一柳、山内、中村もいた。つい昔の感覚で権兵衛は話しかけるが、皆は返答の代わりに咳払いをするだけだった。権兵衛は己の立場を弁え、下がるのだった。
 吉政が皆を呼び出したのは、ここの土が普通の土を違うことを知らせる為だった。権兵衛もここぞとばかりに、赤土は滑ると叫ぶが咎められる。
 さて、吉政は力攻めは控えるべきと考える。だが、秀次の意向、そして秀吉も力攻めを決断した。すでに諫言は能わず、ならば身命を賭して山中城を落とすと言う。その言葉に皆は鬨の声を上げるのだった。

 皆が帰る中、吉政は権兵衛に声を掛ける。吉政も権兵衛の事は知っていたのだ。吉政は権兵衛が陣借りにしては勇んだ目をしてないのを疑問に思い、声を掛けたのだ。権兵衛は答えて、それで失敗し、ここで野盗扱いされてると言う。吉政は重ねて尋ねる、何しに来たのかと。権兵衛は戦場がしっくり来るからと答える。
 吉政は持っている握り飯を権兵衛に勧め、言う。救援部隊に回ってくれぬかと。

 権兵衛はこれを快諾した。しかし部下達は不満であった。権兵衛はこれが天命と思い、さらに失敗の恐ろしさを誰よりも知っている自分たちこそ相応しいと言う。だが、部下達は渋々認めるのであった。

 ついに、山中城の攻城が始まる。出丸への先陣は一柳、中村、山内の3隊である。しかし、秀次に最初に届いたのは大名格の将の討死の報であった。

 討ち取られたのは一柳直末。やはり、土が滑って大将を守れなかったのである。配下の者が影武者をするも、一旦退かざるを得なかった。

 その報を聞き、立ち上がる秀次。前野長康に落ち着くよう言われるが自分は冷静だと言う。秀次は家康に敗れた時より学んで来たと言い、その戦術眼を示す。
 一柳隊はまだ士気が落ちておらず、退かせれば逆に全体の士気が落ちると秀次は見る。大将無き一柳隊は大手を攻めるふりをさせ、囮をする。中村隊に後詰を送りこちらを主攻とする、そういう考えだった。
 一柳隊に援軍を送らぬ冷徹さ。前野は了承し、命令を伝えに行く。吉政は、秀次自身も攻め登るを逸らぬように言い、秀次も了承する。

 権兵衛達に命令が下る。あえて中村隊を救援する事に、秀次がここが攻め時と考えている事を権兵衛は悟る。その事を配下にも伝え、武功に焦らぬよう言い救援に向かう。

 物見櫓から戦況を眺める秀吉は不満であった。敵の何十倍もの兵を持っているのだ。イチかバチかの攻勢に出るなど天下人の戦では無い、そう思った。だが、すでに攻勢に出た後である。秀吉は法螺を呼ぶのであった。

 中村一氏は攻め倦ねていた。他の隊が動かぬからだ。配下の渡辺了は今が覚悟する時だと言う。そして、そこに秀次からの救援が届く、今が攻め時との命と共に。
 一氏は主力が敵を抱える間に遊撃部隊を攻め上がらせる。そして救援に駆けつけた権兵衛にも遊撃の渡辺を助けるように言う。遊撃の助けの為に、はしごの支えや肩を貸す仙石隊。そんな土塁越えの最中、秀吉の法螺の音が鳴り響く。総攻撃の合図である。
 土塁を越え、出丸に侵入する渡辺を始めとする遊撃部隊。しかし、彼らの前に現れたのは北条系城郭の妙、障子堀である。


 まさかの、田中吉政の登場である。これは予想外ですね。近江八幡や岡崎柳川など築城でしられる彼だから、土の違いをしれたのですね。おにぎり持っていたりしてたのは、領内を弁当持って見回ったエピソードからですかね?たしかそんなエピソードがあったはず。今後の活躍が楽しみです。

 そして、秀次。確かに有能になりましたね。冷徹な判断も出来るし。ただ、ちょっと秀吉と考えがずれているのが心配です。まぁ結末は、ああなるんですけどね。

 波乱の山中城攻城戦。次に現れるのは障子堀です。堀障子って書いてありましたけどそれでも正解なのかな。兎に角、ワクワクな展開が続きますね。楽しみです。