2018年4月15日日曜日

二人の道

 今週のセンゴク権兵衛の感想。


 高野山に現れた森村吉。増福院を訪れた後、流人の中にいる権兵衛を探す。
 そこにはすっかり険の取れた権兵衛が書物を読んでいた。

 森が訪れた理由。それは権兵衛に士官する為だった。権兵衛は酷い目にあったのに何故、と問う。森は航海に喩えて言う。嵐を乗り越え帰港すると、もう二度と乗りたくない。そう思うが、数日するとまた海が恋しくなる。そう話す。

 権兵衛はそれを聞き、煩悩だと言った。そして自分もまた煩悩故に戦っていたと。
 良い方向に変わった権兵衛。森はより強く仕えたいと思うのだった。

 とは言え、部下を取る立場に今は無い。結果、高野山で一緒に行動する事なる。
 二人で温泉に入っている現れたのは、身投げしようとした元僧兵。名前が無いと言っているので権兵衛は無用ノ介と呼んでいた。
 そろそろバレるだろうと考えた権兵衛は自分の本名を言う。そして、これ以上関わるなとも。しかし、無用ノ介には奇妙な縁が有ったこと知る。あの増福院に書かれた落書き。それは無用ノ介の仕業だったのだ。
 その事を詫びる無用ノ介。しかし、権兵衛は既に気にしてなかった。寧ろ、自分を見つめ直す切っ掛けになったと言う。そして同時に、流人達の罵詈雑言も本人達には悪気は無いと、理解を示すのだった。


 九州では島津義久が降伏した。そして大友宗麟は死去する。安らかに眠る宗麟だが、この後秀吉がバテレン追放令を出すことなど知る由も無かった。

 義久の降伏に異議を唱えて抵抗する者もいた。しかし、程なく平定された。
 順風満帆に見える九州征伐。しかしその裏では豊臣軍に疫病が蔓延していて薄氷の勝利であった。

 帰参を願い出る者がいた。しかし秀吉は冷酷に斬るよう命令する。
 おねに向けた書状には白髪が増えたと書かれていた。

 秀吉は思った。皆、自分の言う通りに行動すれば良いのに。そうすれば、こんな苦労などしなくていいのに。そう思ってしまったのだ。


 高野山の権兵衛の元に次から次へと元家臣が集まってくる。流石に素性を隠しきれなくなってしまった。権兵衛は高野山から下山する事にした。
 お世話になった流人たちに礼を言う権兵衛。流人たちは餞別にと各々鈴を送るのだった。



 権兵衛と秀吉。対照的な道を歩んでいる。そう感じさせます。
 敗戦後、これまでの自分を振り返り、高野山の流人に混じり、驕っていた事に気付き、本当の無を知った権兵衛。一方、秀吉は権力を極め、茶々も得る。そして才能があるが故に周りに苛つき始め、独裁的になり始める。戸次川後どうなるかと思ったら、大きなターニングポイントになりましたね。
 秀吉は、前々から独裁化しそうな雰囲気ながら、押し留めていたのに、一気に傾いた感じがします。その先に待つのは……やはり、滅亡の種は秀吉が撒いてたのかな?とは思います。

 さて権兵衛が次に向かうのは京になるのかな?小田原までには家康とも再開するだろうからこの後も楽しみですね。

2018年4月1日日曜日

無用の者達

 プロ野球が開幕しました。
 そして中日は開幕に連敗。辛いです。


 今週と先週のセンゴク権兵衛感想。


 増福院にて読経や写経をするも、心の晴れない権兵衛。そこで彼は流人に紛れて生活するのだった。


 一方九州では豊臣軍が圧倒。秀吉の戦術眼は些かも衰えて居なかった。嘗て島津が大勝した高城。そこに篭もる島津を包囲、援軍に訪れた兵を南の根白坂で鉄砲で向かい撃つ。と言う、長篠の再現を狙うのだった。

 斯くして秀吉の策は大当たり。正に長篠の再現となったのだ。


 その話は高野山まで届く。そして、釣り野伏を警戒し追撃をしなかった尾藤が追放された事も一緒にだ。
 流人達は、これも仙石の所為と言い、思い思いに彼を批難し中傷する。

 一人その輪から離れる権兵衛。その手に握った藤の髪は、もうボロボロであった。


 そんな権兵衛に声を掛けたのは堀田であった。彼には権兵衛が身投げする様に見えたのだ。しかし権兵衛にはそんな気は無く、見晴らしの良い、時には海が見える場所に行くだけだった。

 二人連れ立ってそこへ行く。そんな中で、権兵衛は自分が周りを全く見てない、駄目な当主であった事をハッキリと自覚するのであった。


 さて、堀田と別れて一人、眺めていると僧兵らしき男が現れた。思い詰めた表情から身投げをすると見えた。権兵衛は興味を持ったのか、話しかけた。しかし、彼はまともに取り合わず、織田や羽柴の侍なら殺すとまで言った。
 権兵衛は全く怯まずに、寧ろ自分は織田や羽柴の侍と言う。男は直ぐに襟首を掴み持ち上げる。それでも、焦らず、今度は弁慶義経か、と言うのだった。
 思う所があったのか、男は権兵衛を殺さず立ち去ろうとする。しかし、権兵衛はさらに話が聞きたいと言った。

 男は貧しい家の出であった。両親は貧しさ故に盗みを働き、その報復で殺された。そして妹と共に、各所で爪弾きになりながら生きてきた。そんな中で、腕っぷしの強さから僧兵となり、漸く居場所を作ることが出来た。しかしその居場所も、秀吉の介入で無くなってしまったのだ。

 無用の者。権兵衛は自分もそうだと思い。そして漸く何かが掴めたのだ。

 すっきりした権兵衛はそのまま男と別れようとした。しかし、男はそれで良い訳なかった。身投げをするのに邪魔をされたし、権兵衛自身にも興味が出たからだ。


 結局、権兵衛に付いて来る事にした男であった。


 そんな中高野山にまたしても、嘗ての家臣が現れる。森村吉であった。



 九州戦が終了ですね。神子田に続き尾藤もさらっとした感じで追放されましたね。次の出番がなさそうなのが残念ですね。

 一方権兵衛は立ち直りそうですね。そしてこの元僧兵って誰なんでしょうか。余り知られてない文献からなのかな?それともオリジナル?早く名前が知りたいですね。

 そして村吉の登場。はてさてどうなるか。次回も楽しみです。