2018年6月24日日曜日

交わる者たち

 先週と今週のセンゴク権兵衛の感想。


 お寧の元に、金吾の様子を見に来る秀吉。
 幼いながら読み書きが出来、舞や能も出来る金吾。その様子に秀吉は大喜びであった。


 母の肩を揉みながら、金吾を褒める秀吉。跡継ぎは金吾に、そう言うのだった。
 しかし、母は言う。あのぐらいの歳なら教えれば出来るようになる、と。そして秀吉は教えなくても出来た、と。
 続けて言う。秀吉は特別で、秀吉と同じ事は誰にも能わぬ。故に、どんな子でも継げるくらいお家を盤石にすべきだと。


 鞍馬で暮らしている権兵衛はこの程、歌会に出ることにした。
 公家等が集まる中、一人の男が話しかけて来た。仙石の事を知っており、公界がどれほど恐ろしいか、語るが権兵衛は気にも止めなかった。
 会が始まる、早速嫌味を含んだ歌が詠まれた。それに対し権兵衛はどうするか、男は気になった。それに対する権兵衛の句は何処か意味深であった。男は早速、意味を問うた。しかし、権兵衛曰く、今見てきた風景を詠んだ、との事であった。

 権兵衛が厠に立つ。すると件の男が先に小便をしていた。男は自身の小便を見るように言う。すると、その小便の色は変色していた。
 男は言う。公界は魑魅魍魎の世界。これ程までに苦労が多いと。そして何故権兵衛はここに来たのかと。
 厠を変わり。今度は権兵衛が小便をする。
 権兵衛は答える。古溪和尚に違う世界見る事は幸いだ、そう言われたからと。
 男は権兵衛の小便を見、貴殿も苦労しているのだな、そう言った。
 そして、息子の嫁を貰いたいものだ、そう言い去っていた。

 間もなく年が暮れる。そんな時、尾藤が朝熊山で討たれた報が届く。
 反乱の罪だが、尾藤一人で何が出来るのか。
 権兵衛は思う。秀吉は恐れているのだ、不安になっているのだ。
 位人臣を極めた秀吉が何を恐れるのか。権兵衛には解らぬが、心配でならなかった。



 まだ権兵衛が幼き事であった。彼と共に菩提寺で勉学に励む者がおった。名を藤兵衛と言った。
 この頃の権兵衛は臆病で、村の外の祠に不老不死の秘密がある。そう言われても村から出なかった。

 権兵衛の噂を聞いた藤兵衛は故郷黒岩から、権兵衛の後を追い、鞍馬でやって来た。
 古い知り合いだと言って怒っている客人がいる。そう聞かされた権兵衛は訝しく思いながら、会った。しかし解らぬ。籐兵衛は言う、不老長寿の秘密は、と。

 腹八分目。

 言葉が重なり、ようやく藤兵衛を思い出す権兵衛だった。
 古き友との思い掛けない面会。話が弾むはずだった。しかし、権兵衛は改易された身。籐兵衛を見て、臆病な自分を隠す為藤兵衛の様な勇気ある男演じていた、そう自虐するのだった。
 それを聞き藤兵衛は一喝する。自分は権兵衛よりすごい、しかし大名には成らなかった。それは権兵衛に大名になる才があったからだと。
 不老長寿の話を何故権兵衛が知っている。勇気を出して見に行ったからではないか。権兵衛はやる時はやる男だと言う。
 そして、自分も権兵衛の出世を喜ぶ反面妬む気持ちもある。ずっとモヤモヤしてた、そう語るのだ。
 謝ろうとする権兵衛をまたも一喝して帰る藤兵衛。縁があったらまた、と言って去っていた。

 
 年が明ける。

 大坂の茶々は健康な子が産めるか、医者に診て貰っていた。彼女は秀吉の子を狙っていたのである。



 秀吉に陰りが出始め、権兵衛はいろんな縁を育んでいる。そんな2話でした。
 秀吉の後継者は茶々が子を設けようとしてて、不穏になり始めてますね。まぁ実際、茶々の第二子秀頼の誕生で政権は弱体化しましたしね。茶々は秀吉に対する復讐も考えているのかな?まだ解らない感じですね。

 権兵衛のはいろんな縁を繋いでいる途中、って感じです。
 あの公家風の男はもしかして古田織部なのかな?気になって調べたら権兵衛の娘が織部の息子に嫁いでいるし。
 そして籐兵衛。彼の妹が最初のヒロインですよね。今は毛利家にいるって言ってましたけど。
 藤兵衛もまた、再登場するのかな?家譜とかにしか乗ってなさそうだから、簡単に調べられなそうですけど。


 北条では対豊臣の準備が始まっていますが、北条征伐はもう少し先。しばらくは権兵衛が色んな人交わる様子を描きつつ、豊臣政権内の不安の種が増えていく様子を描くのかな?次週も楽しみです。
 

2018年6月10日日曜日

実直なる者

 先週と今週のセンゴク権兵衛感想。


 九州征伐を終え、秀吉は大坂へ凱旋した。

 その報を聞き、権兵衛の配下は色めき立つ。直ぐにでも秀吉の元に赴き、大名へと復帰させて貰おうと。
 しかし、権兵衛はまだその時では無いと言った。自分たちは基本無用の者だ。だから向こうから求められるのを待つのだと。
 皆は、もし求められなかったらどうするか、と問う。権兵衛はそれならば天下泰平、大いに喜ばしいではないか、と答えた。
 権兵衛は古溪和尚の言葉を思い出す。強い志は反面折れやすい、だから折れぬようゆっくりと進むのだと。


 凱旋した秀吉は宴会を催す。その女房衆の序列、その四位に茶々が宛てがわれた。
 大抜擢にもかかわらず茶々は不満であった。
 一位は当然お寧、三位は前田利家の娘摩阿。茶々は強い不満を持ちつつ、宴会では表情には出さなかった。
 はずだった。お酌に現れた二位の京極竜子。彼女はその不満を見抜いていた。いや彼女だけでは無い。摩阿もまた茶々から圧を感じていたのだ。
 竜子は茶々を諌めつつ、秀吉にはその苛烈さが必要だ、そう言うのだった。


 九州征伐は背後の徳川が大人しくしているからこそ成功した。
 その徳川家康が駿府より二度目の上洛をする。上洛前の徳川では、秀吉にどの程度頭を下げるかで家臣たちは揉め、まだまだ秀吉への臣従を快く思わなかった。

 上洛途上、大津で家康はまさかの事態に遭遇する。なんと秀吉自ら現れたのだ。
 そんな秀吉に対して家康は、なんと土下座をする。
 これを見た秀吉は、家康に対して友だからそんな事をしなくても良いと言った。


 二人は、聚楽第にて会見する。
 傅く家康に対して、秀吉は彼の痛いところを突く。義元亡き後の独立、信長亡き後の甲信への派兵、そして自分との対立。そして家康を揺さぶる。
 しかし、家康はどこまでも自戒し自虐し、全ては己の未熟さと徹頭徹尾、謙る。

 それを見て秀吉は、信長がなぜ彼を信用したか理解した。家康はただただ実直で真面目。中身の無い男。そう秀吉は家康を評価した。


 安心した秀吉は、打って変わって今後の政権序列について家康と話す。
 そこで家康を弟、小一郎より上に置きその他の大名に対する重しとする構想である。
 家康は喜び、全力で支えると言う。そして、後継を聞いた。
 秀吉は、第一に秀次と考えている。しかし金吾が聡明そうなので、まずは彼の成長を待ってから跡継ぎを決めると答える。
 そして、もう一つ考えている案があった。それは皇室から養子を取ることであった。それが一番政権が安定する、そうも考えたのだ。

 後継は未だ確定はしてない。それでも家康は豊臣に尽くすと言い、頭を下げる。
 それを見て秀吉は、カラッポと思うのだった。


 京から帰り道、家康は本多正信に言う。
 徹底的に遜り、豊臣に忠義を尽くすのだと。喩え、豊臣の屋台骨が揺らごうとも、後継が暗愚であろうとも。
 しかし、もし仮に、無常にも、豊臣が砂上の楼閣のように消え失せるならば、その時に立ち上がる為のほんの僅かな野望を、誰にも解らぬくらい小さな一欠片の野望を残すと言うのだ。
 正信は思う。乱世の風雲児信長、乱世の寵児、秀吉。なれば家康は乱世に実直な男。そんな家康が最も恐ろしいと。




 秀吉と家康の会見が終了しましたね。
 なんか秀吉が見誤った感じがします。まぁそれだけ家康がすごいと言う事か。あと、九州征伐終わりから秀吉が老けた描写もあったしね。

 しかし家康、底知れなさがすごい大きくなった。律儀者でありながら、ほんの僅か野心を残すとは。複雑ですね。この先の事を考えると、その時やるべき事やったって感じになるのかな?

 そう言えば権兵衛と接触するかと思いきや、しませんでしたね。
 この先は、茶々も含めた豊臣内部の話が続くのかな?小田原まで割と時間空きますからね。それとも北条家にスポットが当たるのかな?