2019年1月14日月曜日

戦へと

 年末年始で合併号が続いたけど、とりあえず。
 前回(124話)と今回(125話)のセンゴク権兵衛の感想。

 豊臣に臣従の意向の氏直。そんな彼に氏政は、北条四代は広大な城よりも、もっと大事なものを築いたと説く。それを識る為に城下に出るよう勧める。

 身分を隠し、車に引かれ城下を見回る。車を引く者は氏直とは知らず、城下の案内をする。彼は言う、民は戦いを望んでいると。正しき国、北条の為に戦いたいと。
 動員令に反し、足弱な老人や、若年者、皆が北条や身近な者の為に戦う事を決意していた。

 城下を見聞し、氏直は父の言った大事なものに気付く。

 氏直は虎印判を受け取る。初代早雲から築き上げたもの。彼は父を民を気高きものとし導いたと評し、民を護る為戦う事を決意する。


 秀吉はすでに北条征伐を決意していた。
 その水軍の編成を奉行衆は秀吉に見せた。ところが、小一郎の軍勢が少なかった。
 早速、間違えと指摘するも秀吉の勘違いであった。小一郎は病気の為、秀吉が兵を少なくするように言ったのだった。
 秀吉は特に気にすること無く笑い、赤子を抱けば病も吹き飛ぶと言うのであった。

 次いで、家康上洛。北条について話し合う。とは言え、秀吉の目論見通り、相手に開戦の意思あり、であった。
 そんな中で家康は妻の旭の事を秀吉に聞いた。秀吉の妹でもある旭。秀吉の母の看病の為に豊臣家に戻っていた。
 秀吉は多少心労を懸けたが、少し休めば元気になると言う。そして直に家康の元に帰すと言った。

 それより十日以上が過ぎた。今度は上杉景勝が直江兼続を従え、謁見した。
 彼らが献上したのは白鳥。秀吉は大変上機嫌であった。
 嘗て、景勝の義父謙信が落とせなかった小田原城。秀吉はどう落とすか景勝に尋ねる。景勝は蒙昧にて、と答えると秀吉は破顔する。そして答える、二十万の兵で一年囲う、と。
 秀吉は言う。兵糧こそ重要で、それ算用する奉行衆こそが時代を担っていく。そこには義も無用と。
 嘗ては木っ端浪人であった秀吉、それが今では誰もが恐れる権力者となった。
 世は不条理であり、変わりゆく。それについていけぬ者は滅びる。
 秀吉は言う、自分が最も戦国を憎んだ者だと。そしてその自分が戦国を終わらせるのだと。

 そして年が明け天正十八年。
 天正大判の前ではしゃぐ秀吉に急報がもたらされる。妹、旭の死である。
 秀吉は早速、坊主共が祈祷を怠ったと言い処罰をしようとする。だが、母がそれを一喝する。そして言う、銭の力でもどうにもならない事があると。
 秀吉は言う。旭に心労を懸けたのは自分だ。なぜ、母は叱らないのかと。
 母は言う。秀吉が一代で大きくした家、それを壊してはならないと。

 旭の死去の報は家康にも届く。だが家康の心は変わらず。真の忠誠は戦場で示すと言う。

 権兵衛は囲碁を教えている川坊の元に来ていた。権兵衛は北条征伐において陣借りする事を決めていた。そして、その台所の算用を川坊に求めて来たのだった。渋る川坊に権兵衛は言う、戦場こそが自分を繋ぐ縁に綺麗に当て嵌まるのだと。その上で、鉄砲が一丁欲しいとまで言った。
 理由は勘だと言う権兵衛に呆れ、それでお家取潰しでしょと川坊は言った。


 
 北条編、良かったですね。
 特に、氏直の氏政評。とかく、愚将とされる氏政をそうでは無いとしてて良いです。
 気高き民の国。だからこそ、上杉の小田原征伐で終わるんですね。

 そして、合戦前の準備。
 秀吉は多少大人しくなったけど、まだまだ奥底に激情を秘めてます。この後の事を考えると……まぁ、そうなるかなぁ、って。

 で権兵衛。変わったようで変わらないですね。川坊は受け売りと言ってますが、そうでは無い…はずです。色々あったけど、一周回って戻ったのかな?少なくとも川坊から見たら以前通りなんでしょうね。

 兎にも角にも、いよいよ戦も間近。これよりの権兵衛の活躍、楽しみです。