2018年11月25日日曜日

一堂に会する

 今週のセンゴク権兵衛の感想。

 嘗て、父より聞いた宗瑞の事。景虎は三代目はどうなのか憲政に聞く。
 憲政は宗瑞の頃より変わっておらぬと言い、重ねて北条討伐を願う。成し遂げたらなら景虎の求める職を与えると言った。
 しかし、景虎は直ぐに、とは言わなかった。武田との戦もある。関東の地と人を見て、吟味し、天より合戦の術が降りてきた時に戦う、と。

 関東より上杉を追いやった北条。続いて古河公方にも圧力を懸けて晴氏と氏康妹の子である義氏を嫡流にする。北条は着実に関東管領としての地位を固めていった。

 そんな北条に三国同盟が持ちかけられる。
 今川武田北条で背を守り合う同盟を組み、それぞれ西、北、東へ版図を広げる。三者共に利益のある同盟だ。しかし、氏康は悩んだ。
 氏康の懸念は武田であった。武田が北へ版図を進め信州を制圧した後は上州へ兵を進めるのが上策。しかし、北条とかち合い、領土拡張の道が無くなる。即ち、武田の利が最も小さいのだ。
 そこで思う、それほどまでに武田は長尾家を警戒しているのかと。

 長い熟考の末、同盟締結を決断する。

 そして善徳寺にて、今川義元、武田信玄、北条氏康の三雄が会すのであった。

 義元は京菓子を用意した。笹に包まれた餅。しかし一個は何も入ってなかった。義元は言う。好きに選んだらいい。一つ不足なら一人食べ損なうというだけだ、と。
 二人は、当然試されていると考える。信玄は遠慮した。いろは順なら武田が最後だからと。しかし、義元は家格なら、と言う。
 一方、氏康はどう振る舞うべきか熟考していた。
 そんな折、義元は懐から餅を出し、自分の分はここにある、と言い食べてしまう。
 そして義元は言う、面白さで三国同盟を提案した、と。自分は織田と戦うのが、武田と北条は共に長尾と戦うのが面白いと。
 氏康は武田と北条で長尾に当たるのか、と義元に訪ねその心はと問う。しかし義元には理由は無く、そう思ったらかだと言う。

 風のように去っていった義元。そして残された氏康と信玄。信玄は氏康に危難の時に助け合う旨を提案する。氏康は信玄に聞く。長尾景虎はそこまで警戒すべきと。
 信玄は言う。大名は国を経営し、家中をまとめ、民を慰撫し、外交に腐心しなければならない。しかし景虎は軍事のみ、軍の才のみだけでこれらを成し遂げている、と。

 そして永禄に入り遂に景虎が関東への出兵に取り掛かる。


 懐かしい面々が揃いましたね。一種の過去の振り返りにもなっているのがいいですね。

 さて善徳寺の会盟は良かったですね。センゴクの義元らしい行動です。意味深に見える行動も面白いから、でしょうね。理由は。再び桶狭間戦記読もうかな。
 信玄は、若干怖さが抜けてる感じがします。まだ若いからかな?それでも景虎のことを語る時は怖くなりましたね。やはりこちらも三方原あたり読み返したいですね。

 ちなみに、景虎はずっと怖いですね。やはり異能なんでしょうね。

 さてこの後はどうなるのか。というより何処まで描くのか。対景虎戦は当然、桶狭間後の今川の混乱や対信玄戦とかも書くのかな。そうなるとまだ二、三回位は氏康回かな?
 次回も楽しみです。

2018年11月18日日曜日

二代目、三代目

 前回と今回のセンゴク権兵衛の感想。

 宗瑞が亡くなり、新たに氏綱が当主となった。氏綱は自分は父に及ばないと言う。
 しかし、氏綱は蝶の家紋を焼き、伊勢の名を捨てた。そして新たな紋は三つ鱗、新たな名は北条。嘗ての執権北条を名乗ることにより、関東支配の名分を得るのだった。
 家臣にとっては先代以上の破天荒さであった。

 一方、扇谷上杉家では上へ下への大騒ぎであった。迫りくる北条にどう対抗するか、家臣らの協議が行われた。
 扇谷は氏綱の花押を複製し、他の勢力に協力を要請する。そうして、対北条包囲網を作ることに成功したのだ。

 窮地に陥った北条家。氏綱は一つの決断をした。虎の印を紙に押し、水に溶かし飲む。そう、父より言われた一代に付き一度だけの非道である。
 氏綱は臨時徴税を行い、軍資金に当て、彼らと戦い抜く決意をする。
 当然、徴税は一回だけ、どれだけ厳しくなっても粘り強く戦うだけだった。

 そしてその粘りが、形勢を北条に傾け、領土も広がっていったのだ。

 扇谷、山内の両上杉家と北条家の関東管領を懸けた争いは北条家有利に展開する。
 しかし、その北条に待ったをかける者が北の越後で生まれていた。

 制札の前で文句を言う若僧がいた。当然間者と疑われて調べられるも、延々と持論を展開する。代を経るごとに顔が端麗になったと言った所で、人が入ってくる。なんと、現当主の氏康である。氏康は若僧と歳が同じであること、その言葉に一理あることから無礼を赦した。
 氏康は、自分の顔に傷の一つでもあればと言った。若僧は自信なさげな氏康を励まそうとする。巷間、臆病者と言われている、しかしそれは逆に長生きができると。臆病な馬は食われないように。
 しかし、氏康は説得力がないと言うのだった。
 氏康は若僧に粥を馳走した。若僧は氏康が汁を掛けるのを悩んでいたのを不思議に思い聞く。曰く、貴僧の腹具合を見極めるためだと。若僧は食べて言う、腹八分目、完璧に、と。若僧は氏康の器量の高さを実感するのだった。

 
 さて、氏康が当主になってから再び北条家は危機に陥っていた。先代を凌ぐ包囲網を敷かれていたのだった。
 これに対し、駿河河東から撤退することにより今川武田と和睦を結ぶ。これにより西の安全を確保する。そして、虎の印「禄寿応穏」の神水を飲む。彼の行う一代に付き一度の非道。それは偽りの降伏であった。そしてその隙に奇襲をかけるのだ。

 結果は大勝利。扇谷は滅亡、山内は本拠まで撤退する事となる。世に言う河越夜戦である。

 山内家の上杉憲政は北へ北へと亡命した。彼が頼りにするのは越後の長尾家である。
 しかし、長尾家は何度も上杉に反旗を翻した家である。だが、その奸雄長尾為景はすでに亡くなっている。憲政の関心は現当主がどうなのか、である。しかし、巷説は二つに分かれる。曰く、先代よりも立派である。曰く、先代よりも恐ろしいと。

 憲政の前に現当主が現れる。すると憲政は自然と、手を付き頭を垂れた。そして北条の打倒と、上杉の復興を願い出た。現当主の名は長尾景虎。のちの上杉謙信である。


 氏綱、氏康、共にいいキャラでしたね。氏康は桶狭間戦記以来ですかね。これで出てないのは氏政だけですね。彼がトリとは珍しいです。どのようなキャラになるか愉しみです。と、そういえば汁かけ飯が出てきたのは伏線なのか、たんなるネタなのか。氏政の時にも何かやるのかな?

 そして謙信登場。北条の過去やれば当然出てくるよね、お久しぶりです。
 そう考えると信玄も再登場するのかな?河東地域では義元は出なかったけど。このあたりは氏康の話を何処までやるか?ですかね。彼らが登場するならまだ後数話続きそうですね。
 北条過去編、まだまだ愉しみでなりません。