2018年11月18日日曜日

二代目、三代目

 前回と今回のセンゴク権兵衛の感想。

 宗瑞が亡くなり、新たに氏綱が当主となった。氏綱は自分は父に及ばないと言う。
 しかし、氏綱は蝶の家紋を焼き、伊勢の名を捨てた。そして新たな紋は三つ鱗、新たな名は北条。嘗ての執権北条を名乗ることにより、関東支配の名分を得るのだった。
 家臣にとっては先代以上の破天荒さであった。

 一方、扇谷上杉家では上へ下への大騒ぎであった。迫りくる北条にどう対抗するか、家臣らの協議が行われた。
 扇谷は氏綱の花押を複製し、他の勢力に協力を要請する。そうして、対北条包囲網を作ることに成功したのだ。

 窮地に陥った北条家。氏綱は一つの決断をした。虎の印を紙に押し、水に溶かし飲む。そう、父より言われた一代に付き一度だけの非道である。
 氏綱は臨時徴税を行い、軍資金に当て、彼らと戦い抜く決意をする。
 当然、徴税は一回だけ、どれだけ厳しくなっても粘り強く戦うだけだった。

 そしてその粘りが、形勢を北条に傾け、領土も広がっていったのだ。

 扇谷、山内の両上杉家と北条家の関東管領を懸けた争いは北条家有利に展開する。
 しかし、その北条に待ったをかける者が北の越後で生まれていた。

 制札の前で文句を言う若僧がいた。当然間者と疑われて調べられるも、延々と持論を展開する。代を経るごとに顔が端麗になったと言った所で、人が入ってくる。なんと、現当主の氏康である。氏康は若僧と歳が同じであること、その言葉に一理あることから無礼を赦した。
 氏康は、自分の顔に傷の一つでもあればと言った。若僧は自信なさげな氏康を励まそうとする。巷間、臆病者と言われている、しかしそれは逆に長生きができると。臆病な馬は食われないように。
 しかし、氏康は説得力がないと言うのだった。
 氏康は若僧に粥を馳走した。若僧は氏康が汁を掛けるのを悩んでいたのを不思議に思い聞く。曰く、貴僧の腹具合を見極めるためだと。若僧は食べて言う、腹八分目、完璧に、と。若僧は氏康の器量の高さを実感するのだった。

 
 さて、氏康が当主になってから再び北条家は危機に陥っていた。先代を凌ぐ包囲網を敷かれていたのだった。
 これに対し、駿河河東から撤退することにより今川武田と和睦を結ぶ。これにより西の安全を確保する。そして、虎の印「禄寿応穏」の神水を飲む。彼の行う一代に付き一度の非道。それは偽りの降伏であった。そしてその隙に奇襲をかけるのだ。

 結果は大勝利。扇谷は滅亡、山内は本拠まで撤退する事となる。世に言う河越夜戦である。

 山内家の上杉憲政は北へ北へと亡命した。彼が頼りにするのは越後の長尾家である。
 しかし、長尾家は何度も上杉に反旗を翻した家である。だが、その奸雄長尾為景はすでに亡くなっている。憲政の関心は現当主がどうなのか、である。しかし、巷説は二つに分かれる。曰く、先代よりも立派である。曰く、先代よりも恐ろしいと。

 憲政の前に現当主が現れる。すると憲政は自然と、手を付き頭を垂れた。そして北条の打倒と、上杉の復興を願い出た。現当主の名は長尾景虎。のちの上杉謙信である。


 氏綱、氏康、共にいいキャラでしたね。氏康は桶狭間戦記以来ですかね。これで出てないのは氏政だけですね。彼がトリとは珍しいです。どのようなキャラになるか愉しみです。と、そういえば汁かけ飯が出てきたのは伏線なのか、たんなるネタなのか。氏政の時にも何かやるのかな?

 そして謙信登場。北条の過去やれば当然出てくるよね、お久しぶりです。
 そう考えると信玄も再登場するのかな?河東地域では義元は出なかったけど。このあたりは氏康の話を何処までやるか?ですかね。彼らが登場するならまだ後数話続きそうですね。
 北条過去編、まだまだ愉しみでなりません。

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