2018年6月10日日曜日

実直なる者

 先週と今週のセンゴク権兵衛感想。


 九州征伐を終え、秀吉は大坂へ凱旋した。

 その報を聞き、権兵衛の配下は色めき立つ。直ぐにでも秀吉の元に赴き、大名へと復帰させて貰おうと。
 しかし、権兵衛はまだその時では無いと言った。自分たちは基本無用の者だ。だから向こうから求められるのを待つのだと。
 皆は、もし求められなかったらどうするか、と問う。権兵衛はそれならば天下泰平、大いに喜ばしいではないか、と答えた。
 権兵衛は古溪和尚の言葉を思い出す。強い志は反面折れやすい、だから折れぬようゆっくりと進むのだと。


 凱旋した秀吉は宴会を催す。その女房衆の序列、その四位に茶々が宛てがわれた。
 大抜擢にもかかわらず茶々は不満であった。
 一位は当然お寧、三位は前田利家の娘摩阿。茶々は強い不満を持ちつつ、宴会では表情には出さなかった。
 はずだった。お酌に現れた二位の京極竜子。彼女はその不満を見抜いていた。いや彼女だけでは無い。摩阿もまた茶々から圧を感じていたのだ。
 竜子は茶々を諌めつつ、秀吉にはその苛烈さが必要だ、そう言うのだった。


 九州征伐は背後の徳川が大人しくしているからこそ成功した。
 その徳川家康が駿府より二度目の上洛をする。上洛前の徳川では、秀吉にどの程度頭を下げるかで家臣たちは揉め、まだまだ秀吉への臣従を快く思わなかった。

 上洛途上、大津で家康はまさかの事態に遭遇する。なんと秀吉自ら現れたのだ。
 そんな秀吉に対して家康は、なんと土下座をする。
 これを見た秀吉は、家康に対して友だからそんな事をしなくても良いと言った。


 二人は、聚楽第にて会見する。
 傅く家康に対して、秀吉は彼の痛いところを突く。義元亡き後の独立、信長亡き後の甲信への派兵、そして自分との対立。そして家康を揺さぶる。
 しかし、家康はどこまでも自戒し自虐し、全ては己の未熟さと徹頭徹尾、謙る。

 それを見て秀吉は、信長がなぜ彼を信用したか理解した。家康はただただ実直で真面目。中身の無い男。そう秀吉は家康を評価した。


 安心した秀吉は、打って変わって今後の政権序列について家康と話す。
 そこで家康を弟、小一郎より上に置きその他の大名に対する重しとする構想である。
 家康は喜び、全力で支えると言う。そして、後継を聞いた。
 秀吉は、第一に秀次と考えている。しかし金吾が聡明そうなので、まずは彼の成長を待ってから跡継ぎを決めると答える。
 そして、もう一つ考えている案があった。それは皇室から養子を取ることであった。それが一番政権が安定する、そうも考えたのだ。

 後継は未だ確定はしてない。それでも家康は豊臣に尽くすと言い、頭を下げる。
 それを見て秀吉は、カラッポと思うのだった。


 京から帰り道、家康は本多正信に言う。
 徹底的に遜り、豊臣に忠義を尽くすのだと。喩え、豊臣の屋台骨が揺らごうとも、後継が暗愚であろうとも。
 しかし、もし仮に、無常にも、豊臣が砂上の楼閣のように消え失せるならば、その時に立ち上がる為のほんの僅かな野望を、誰にも解らぬくらい小さな一欠片の野望を残すと言うのだ。
 正信は思う。乱世の風雲児信長、乱世の寵児、秀吉。なれば家康は乱世に実直な男。そんな家康が最も恐ろしいと。




 秀吉と家康の会見が終了しましたね。
 なんか秀吉が見誤った感じがします。まぁそれだけ家康がすごいと言う事か。あと、九州征伐終わりから秀吉が老けた描写もあったしね。

 しかし家康、底知れなさがすごい大きくなった。律儀者でありながら、ほんの僅か野心を残すとは。複雑ですね。この先の事を考えると、その時やるべき事やったって感じになるのかな?

 そう言えば権兵衛と接触するかと思いきや、しませんでしたね。
 この先は、茶々も含めた豊臣内部の話が続くのかな?小田原まで割と時間空きますからね。それとも北条家にスポットが当たるのかな?

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