権兵衛が北野天満宮に祈っていると、同じく祈る人が。なんと、古溪和尚だった。
なんと、古溪は配流される事になったのだ。
曰く、信長の菩提を弔う寺を建立する予定だった。しかし、秀吉側の都合でずっと計画が進まなかった。が、この度、渡したお金の返却を求められた。だが、すでに前払いしてしまっていた。故に横領と見なされたのだ。
だが、古溪は秀吉を恨む事なく、むしろ理解するのだった。
二人で祈り、籤を引く。凶を引いた古溪に権兵衛は自身の吉を渡す。毎日引いてるからと。
こうして、古溪は京を後にしたのだった。
秀吉は新たな金貨、天正大判を作っていた。得意満面に奉行たちに見せていた。最初は豪商ぐらいしか使えぬだろうが、ゆくゆくは全国に流通させよう。そう皆と話していた。
しかし佐吉だけが神妙な顔で何も語らなかった。
詰所に帰ってきた奉行達。当然、先程の佐吉の態度を尋ねる。
佐吉は言う。不可能を可能にしてきた秀吉。今も財政難の時に経済政策が次々と湧き出ている。その破格の才を前に自分たちは余計な事をしない方が良いのでは。そう考えていたのだった。
年の瀬、師走。
秀吉の元に耳を疑う報が入った。弟、秀長の家臣が材木の横流しをしていたのだった。
静かに、だが確実に秀吉は怒っていた。笑わぬ目で報告してきた者に問う、秀長の指図だったのか、と。冷や汗を流しながら、違うと答える。すると秀吉は、ならば横流しに気づかぬ無能か、と。使者は秀長は病気がちになったので仕方無いと庇う。
自らの命を捨てるとまで言う使者。そんな彼に秀吉は、大判一枚の価値も無い、と冷たく言って去っていた。
秀吉の向かった先は淀城。茶々に慰めて貰おうとやって来た。秀吉は言う、遂に弟にまで疑惑の目を向ける猜疑心の塊になってしまった、と。
そんな秀吉に茶々は、子は裏切らぬと言った。
年が明け、年始の挨拶。そこに秀長の姿は無かった。
多くの大名等が集まり宴会する。そこで年を取った者らは、武勲を語りながら、天下静謐を喜んだ。しかし、清正、正則の目には今より昔を懐かしんでる様に見えた。そんな二人に、武勲無く大領を得た、そんな揶揄を含んだ言葉を投げる。一触即発、そんな中また別の者が仲裁する。そして言う、皆戦場が懐かしいのだと。
未だ、天下に静謐の空気は流れてない。
と、結構盛りだくさんな話でした。
秀吉は、どんどん暴君への道を歩んでる感じですね。その一方で冷静にそれを分析出来ている。だからこそ余計、可哀想になりますね。
あと、茶々の言葉。後年考えると、物凄く重要な事を言いましたね。茶々は軽い感じで言ったかもしれないけど。秀吉にとっては重い言葉になったのかな。
そして久しぶりに出てきた、清正と正則。この二人含めて、誰も天下静謐を望んでないと言うか、戦を諦めきれてない感じがあります。これは、後の北条、そして唐入りの伏線にもなるのかな。それだけでなく、その時の空気、って感じですかね。この空気が完全になくなるのは大坂の陣だろうけど、そこまで描くのかな?関ヶ原のも解らないからそこまでの伏線にはならないかもしらない。
兎に角、大名達に流れる空気も含めて、北条戦に行きそうですね。
次回も楽しみです。
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