2020年6月21日日曜日

仲裁と新たな借り

 センゴク権兵衛、先週と今週の感想。

 秀吉の元に来た権兵衛。しかし、要件が小諸より讃岐が欲しい。だった為、皆は取次をしたくなく、たらい回しにする。

 秀吉は浅野長政と話していた。無事に信雄を追いやり、次に東国で台頭するのは家康と見ていた。その目付に関東公方を使おうと考えていた。
 浅野は家康が信用能わぬのか、と尋ねる。しかし、秀吉はそうではない、と言う。あくまで自分が死んだ後の心配だ、と。
 秀次は家康の指導を受けている。目付役は難しい。頼りにするのは三成ら奉行衆の若手である。
 鶴松を頭に、家康と秀次の二頭体制。そこに鶴松直轄の奉行衆が取次や目付をする。それが秀吉が考える、死後の政権体制であった。
 しかし、此度の合戦で、若手奉行衆の合戦下手が露呈したのだ。
 忍城攻めで多大な損害を出してしまった三成。その為、総大将が浅野に代わっていたのだ。
 水攻めは秀吉の指示。三成の越度ではない、とは言え大名の取り纏めがし辛くなったは確かである。
 秀吉は取次の任をこなす中で成長を期待するのであった。

 そんな中に権兵衛が小諸より讃岐が欲しいとの報告が入った。
 秀吉はあきれ、切腹を申し付けて来い、と言う。そうすれば泣いて詫びに来るだろうと思って。

 が、権兵衛は無理に会いに来ようとする。
 秀吉は、権兵衛が何に怒っているのか、それを聞くために呼ぶことを決めた。

 既に浅野は去っている。部屋には秀吉と権兵衛だけの二人になった。

 権兵衛は改めて、讃岐を所望した。しかし、秀吉は何が不満か聞くのだった。
 権兵衛は言う。秀吉が皆に恐れられている事。そして、それが進むと、べしゃりとおべっかで出世するんでよ、と言う輩ばかりになってしまうと、かつての秀吉の真似をして物申した。
 そして再び、讃岐を所望する。
 微妙にずれている事もあり、秀吉は頭を抱える。せっかく考えた政権構想がポロポロ崩れ落ちそうだ、と嘆く。
 権兵衛は言う。人の頭で組んだものは脆い、と。時には人智を越えた敵に出会う、と。
 秀吉は言う。合戦で負けた事を人智を越えた敵の所為にするな、と。
 そして続ける。信長に比べれば、自分はどんなに優しいか、と。
 そうして始まったのは信長への愚痴と、過去の思い出話だった。
 他の客人が来ているのに、長々と続けるのであった。これには権兵衛も少々あきれ気味であった。
 終わったのは足利の使者が来たことを聞いた時だった。
 これ以上、権兵衛に対応している暇はない、と言い、頭を冷やせと命じる。でなければ切腹だとも。
 そして言う。此度、権兵衛を小諸城主にしたのは、さる者からの提案であった、と。
 そのさる者、とは家康であった。

 会見を終え、サジと風呂に入る権兵衛。結局、尾藤の件は言えなかった。サジはそれを聞き、物申すと言ったのだから言わないと、と圧をかける。サジはその言葉に感じ入ったからである。
 権兵衛は覚悟を決め、次は物申す、と誓う。

 そして二度目の会見。他の諸将は関わりになりたくなく、皆権兵衛の見えない所へと去る。そんな中、会見に同席するものがいた。そう権兵衛を推薦した家康であった。
 仲裁に来た家康。そんな家康に対して権兵衛は仲裁をしない方がいいと言う。秀吉が怒れば家康にとばっちりが行くかもしれぬからだ。
 家康は思い出す、権兵衛が物申す猪武者だと。人脈を拡大の為の仲裁であった。そして思い至る、こやつこそ最も下手に関わってはいけない者だと。
 さらに確認をとる権兵衛。家康は粗相があれば斬ればよい、と考え仲裁する事にした。
 秀吉は権兵衛に問う、その不満は自分に対するものか、と。
 権兵衛は答える。不満は尾藤の処断である、と。同志が気分次第で斬られた。それを聞いたら大名など割りに合わない。そして、割に合わない大名をやるなら、戦死した讃岐国衆に報いる為に讃岐の大名になりたい、と。
 家康は秀吉の考えに沿って権兵衛を処罰しようと考える。しかし、秀吉は家康の意見を訊ねるのだった。
 家康は驚いた。下手をすれば自分の首が飛ぶ。汗を掻き、秀吉の様子を窺いつつでた言葉は遺憾の意、であった。
 秀吉は同感、と言う。権兵衛にはキチンとは伝わらなかった。
 秀吉は言う、権兵衛なんぞの為に家康が心労している、と。
 秀吉は日ノ本の惣無事を第一義にしていると家康は言う。そして、不条理に見えても大いなる思慮遠望の下でなされていると続ける。
 家康は権兵衛に近づき、小諸で納得するよう頼む。その手は肩を、顔は笑顔だった。
 だが、内心は怒っていた。自らの首を賭ける羽目になった事を。そして借りは必ず返すよう、思っていた。
 権兵衛はその言葉の外にある圧力を感じ、小諸で了承するしかなかった。

 家康が退室し、権兵衛もまた退室しようとする。そこに秀吉は声を掛ける。尾藤の件はやりすぎた、と。殺すつもりはなかた、それだけは言っとく。そう権兵衛に言うのだった。

 
 なんと言うか、やはり、権兵衛と話している時の秀吉は憑き物が落ちている感じがしますね。まさに旧友って感じです。虎渓和尚が必要と言った事も頷けます。
 一方で家康。簡単に斬り捨てると言うとこに恐ろしさがありますね。とは言え、久しぶりに感情が露わになりましたね。小牧長久手後は泰然としてましたし。
 家康が言った借りは関ケ原に繋がるんでしょうか。今が最終章ですので返されないまま終わるかもしれませんね。

 と、言うわけでこれで無事に小諸拝領、になるのかな。これで権兵衛の物語は一つの区切り、ですかね。あとは豊臣政権下での政争ですかね。どういう展開になるか、楽しみです。

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