2020年7月5日日曜日

新たな時代新たな戦い

 センゴク権兵衛、先週と今週の感想。

 秀吉との謁見を終え、帰る権兵衛とサジ。サジはどうだったか、と訊ねる。
 権兵衛は一応は納得していた。尾藤を斬るつもりはなかった、その言葉が聞けたからだ。
 サジはでは何故斬ったのか聞くが、権兵衛はそこまでガサツではないから聞けない、と答えるのであった。
 権兵衛は言う。秀吉は何かに怯えている、そう見えた、と。それは失態する前の自分に似ていた。そうして全てを失った。でもその苦しみにもなれ、怖いモノもなくなる。
 秀吉は失敗した事が無いから失う事を恐れている。そう権兵衛は感じたのだ。
 サジは一理あると言う。そして上から目線でイラっとする、と突っ込む。
 秀吉も昔は失敗しても、一からやり直して今以上に出世する、そんな事言っていた。でもそうでは無くなった。それは齢の所為かもしれなかった。
 権兵衛は思う。端っこの端っこからでも秀吉を見守るのが恩返しなのかも、と。

 小諸は権兵衛の領地となる。
 家康が関わったのは人脈を広げる為だけではなかった。それは北条家の二の舞を避ける為であった。そう、正信に語る。
 家康は北条征伐の原因の一つに真田の横行があった、と見ていた。その為、権兵衛の小諸を緩衝地帯にしたかったのだ。更に、嫌疑を蒙った時には権兵衛を頼みに上方への往来が容易くするためでもあった。
 正信は問う。それほど権兵衛は信頼を置けるのか、と。
 家康は答える。恩は売った。それを平気で反故にする武人ならば秀吉も赦免などしない、と。
 家康は続ける。愚者が生き残る術は多くを知る事ではない。唯一の大切なことを見極めそれを守ること。彼奴はそれを体得しておると信じる。
 そして、彼奴なら自分たちに微塵も野心の無き事を信じてくれよう、と。

 権兵衛は帰還した。そして大名復帰を報告するのだが、なかなか言いあぐねていた。
 家臣達は言う。覚悟していると。そして万が一の時は反乱軍を起こす、と。
 さすがにこれには権兵衛も物騒だと言い。遂に伝える。
 小諸で大名に復帰する、と。

 藤たち奥の者は接ぎ木をしていた。これで食い扶持を稼ごうとしていたのだ。
 繊細な作業が続く中、広間から大声が響くのだ。
 皆を叱りに行く藤。そこで見たものは喜び叫ぶ皆であった。
 藤は思う、また多忙の日々が始まると。

 権兵衛は古渓にお礼の品を送る。弟子は古渓の慧眼を誉めるが古渓は方便だと言う。
 門弟にしたくないから後押ししただけだと。

 関東の知行割りが終わった。
 その一か月前、肥前国でイエズス会全体協議会が開かれていた。議題は日本での内戦であった。イエズス会を敵と認識する者が勝利すれば、我々に破滅がもたらされる可能性があるのだ。
 パシオは我々を味方とする領域を要塞と化し、身の安全を確保する事を提案する。
 これに対しオルガンティノの反論する。宣教師追放令から三年、現段階で加虐はされてない。さらに貿易は認められている。実質、追放令は空洞化している、と言う。
 そして最優先課題はフランシスコ会の進出である。
 教皇が変わり、フランシスコ会出身の新教皇はスペイン国王の要請により、フランシスコ会の日本進出を認めた。これにより前教皇により担保されていたイエズス会の日本布教独占が崩れたのだ。
 場はざわめく。しかし主導のヴァリニャーノはフランシスコ会との話は長きに亘る論争になる。と言い止める。そして喫緊の脅威に対しての軍備は不回避、と結論付けた。
 イエズス会とフランシスコ会。その背後のポルトガル、スペイン。そしてその対立を利用しようとする秀吉の思惑が交差していく事になるのだった。

 奥州仕置も終えて、駿府に向かう秀吉。そこでとある評議が開かれる予定であった。
 その途上、早馬でお寧から手紙が届く。鶴松の病気が快方に向かっている報せだった。秀吉は言う。興福寺に懇ろに祈祷させたのが効いたのだろうと。秀吉は寺に、存亡をかけて治せ、と発破をかけていたのだ。
 秀吉は駿府の評議で豊臣政権を確実なものにしようと考えていた。鶴松が何ら案ずることなく生きていく国を創るために。

 そんな評議に召集された一人に小西行長がいた。彼は大名復帰祝いに権兵衛の元を訪れていたのだが、表情は暗かった。
 小西は聞く、秀吉のご機嫌の取り方を。だが、権兵衛は知らん、と言う。そして機嫌は機嫌次第だろう、とも言った。そしてるしへる殿下とか言って和ませれば、と。
 小西は取り乱す。そんな事、秀吉に言ってないだろうな、と。そして言う、その言葉を頭から捨てろ、と。
 小西の相談は続く。自分がキリシタン大名だと言う事。そして小西家が父の代から貿易を担っている事。その為、此度古今未曾有の重責を秀吉は任せようとしている、と。権兵衛にならその重みが伝わる、と。
 権兵衛がかって背負ったものより大きな重責。失敗は赦されない。
 そして、出世するほど息苦しくて仕方ない、そう吐露する。
 権兵衛は言う。取り返しがつかない失敗をしながら、図々しく生きている卑怯者がここにいるだろう、と。
 小西の気が晴れた。小西は権兵衛に礼を言う「ニヒル」の者よ、と。

 権兵衛は見事に大名復帰、そして秀吉の考える政権がどうなるか、って感じですね。
 前回、汗を掻いていた家康ですが、今回は平静ですね。描写は少なかったけど、真田が暗躍していたのかな。ともかく、万が一のセーフティーラインを手に入れた、ってとこですかね。
 古径和尚の言葉は謙遜なのかな。まぁ半分本気かも。権兵衛が僧には…なれないでしょうね。
 そしてイエズス会。海外事情も絡めつつ、唐入りに突入するのかな。勿論、そこまで連載が続くのか分かりませんからね。今回の最終章がどこまで描くのかさっぱり分からないからね。
 そして小西。すっかり権兵衛と仲良しですね。
 権兵衛の言葉に救われた小西。彼が担う重責とは何なんでしょうか。
 そして、秀吉の考える政権の形とは。次回も楽しみですね。

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