2019年8月4日日曜日

無用の時代と大事なもの

 先週のセンゴク権兵衛の感想。

 小田原城の虎口攻め。秀吉は早川口を担当する堀久太郎の手腕に期待していた。
 しかし、病に倒れた久太郎は撤退。ヤマイヌの計は中止となっていた。

 殿軍となった仙石隊と牢人衆。権兵衛は妙算に虎口攻めの是非を聞く。妙算が肯定すると、権兵衛は皆に大声で言う、このまま逃げるか、虎口を攻めるか、と。

 権兵衛は更に言う。
 策も中止だし、上からの命令も無い。落としても武功にはならない。
 それでも何故戦うのか。それは権兵衛が色んな縁から学んで出した答えだった。
 出世し名を挙げても、まやかし。天下人に成っても落書き一つに怯え腹を立てる。
 八千七百度のお参りを経て権兵衛は出世や功名は無用と考えるようになった。すべては周りに流されているだけだと。
 権兵衛には己の中にもっと大事なものが出来た。それを今、皆とぶっ放したい。そう言った。

 権兵衛の言葉に出来なかった、それ。妙算は、生き様、と言った。

 権兵衛は続ける。色んな思いから、己の中から生まれる大事なもの、生き様。
 虎口を陥落させ、生き様を示そう、そう大声で叫ぶのだった。

 妙算は、下らない説法を覚えた、と言い。言えば言うほど説得力なくなると権兵衛の言葉を止めた。
 すでに、仙石隊だけならず、牢人衆も権兵衛と同じ気持ちに成っていたのだった。
 士気は十二分に高まっていた。

 権兵衛は北条にも声をかける。逃げるなら今のうち、と。
 北条は困惑した。知らぬ無の旗に羽織の鈴も理解が及ばなかった。
 権兵衛は言う。戦の世は終わりだと。合戦が無くなれば武士はいらんし、大名諸侯も無用の飾りになる。無用に成っても生きる為には己の中に大事なものを持っていなければならない。
 権兵衛は北条兵には分からんだろうと言い、無の旗を立てると宣誓した。

 
 北条側の守将笠原正厳の元に敵の詳細が告げられる。掘秀政の首には及ばぬが、元大名なら挽回の武功には十分と考えた。
 部下は城の守りが第一と言うが、正厳はあくまで首を狙う。
 正厳は重代の筆頭家老松田家出身の彼は以前主家を裏切った。そして赦された時に僧名「正厳」を号したのだ。
 彼は必ず仙石秀久の首を取る、そう誓うのだった。


 権兵衛らしい演説でしたね。全てを失ってから得たもの、それが今の権兵衛を形作っているんですね。心強いですね。
 ただ、権兵衛の言葉を聞いてると、じゃあ秀吉はどうなんだろう?って感じになります。その後を考えると権兵衛のような考えに至れなかったのかな、って思ってしまいます。無論、小田原以降も話が続けば、また変わるのかな?
 さて、最後の相手は笠原。松田憲秀の息子で、彼も失敗して挽回を狙ってます。果たして虎口攻めがどうなるか。楽しみですね。

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