2019年8月25日日曜日

虎口に入らずんば

 センゴク権兵衛、146話と147話の感想。

 舟に乗っていた可児才蔵が目を覚ました。

 一方、権兵衛は牢人衆も集めて軍議をしていた。
 試し合戦を繰り返して分かった事は、赤土の壁を登ろうとすれば兵の大半を失ってしまう事であった。当然、真正面の虎口からは攻めるのも難しい。
 山中城で試し合戦を繰り返していた権兵衛は北条の城の守り方に気づいていた。
 馬出しのように複数の出入り口があり、片方が攻められると片方から奇襲をかける、と。なので、虎口以外の出入り口を見つけてそこから攻める、権兵衛はそう考えた。
 しかし、渋る者もいた。もし他の出入り口がなかったら、と。
 権兵衛は言う、城は虫や獣の巣と同じと言う。北条の城である以上、仕組みは同じだと。別の牢人も同調する。北条の城をどこからか現れる奇襲部隊にやられる話をよく聞く、と。
 さて、具体的な方法は山中城で渡辺勘兵衛が取った方法と同じである。
 まず、虎口を攻め奇襲部隊を誘き出す。そして、奇襲部隊が撤退する時に一緒に突入する、付け入りの策である。
 囮は権兵衛自ら行う。おあつらえ向きに鈴の陣羽織を羽織っている。
 そして後方での迎撃役には一番渋っている本間を当てた。

 仔細は決まった。後は出陣するのみであった。
 そんな権兵衛の元に岡田が現れる。彼は旗印を返すと言う。敵のを奪い敵に成りすまし、閂を開けると言うのだ。権兵衛は躊躇する。岡田は言う、元十万石の大名がたかが一兵卒に死んで来いと言えないのか、と。権兵衛は言う、おんしは無用では無い、と。岡田はそれを今こそ証明すると断言した。
 もはや権兵衛に言える言葉は一つだった、励め、と。

 妙算の事を知らぬ者が絡むが、サジに窘められる一幕もあった。

 権兵衛は森に話す。万が一にはおんしが大将だと。藤兵衛にも声掛けしようとするが、無用と断られる。他の者にも声掛けしたかったが時間がないので、省略する他なかった。
 多少ズッコケた仙石隊であるが、士気は十分、潮は引き、夜も白ばむ。
 権兵衛は手を合わせ、太鼓を持つように言った。ついに早川口の戦いが始まる。

 付け入り作戦。まずは大手を攻める。これには北条も驚く。しかし、大筒の用意があり準備をさせる。

 そんな中可児才蔵は舟で早川口に戻っていた。どうやら眠っていて、堀隊と共に撤退してしまったようだ。

 大手前には水堀、その先の橋は木橋であった。定石ならば橋を落とす。しかし、守将の笠原は落とさず敵を引き込む事にする。さらに外枡にいた兵も引き上げさせた。
 誘われた、と言う事は奇襲部隊が潜んでいると言う事。権兵衛はそう判断し、さらに兵を進めた。
 櫓にある大筒に最初に気づいたのは妙算であった。権兵衛は狙撃するように言うが、遠くて無理であった。妙算は撃つ気配がしたら知らせると言い、権兵衛は手盾を持つことにした。
 権兵衛は皆に大筒の存在を知らせる。そして緊張する皆を落ち着かせる為、標的は大将である自分になると言う。その上、そうそう当たらんと言い、笑った。
 岡田に肝が据わっていると言われ、おんしが命懸けをするからワシまで懸けないといけなくなったと言ったところで、権兵衛の嗅覚が大筒の発射を感じ取った。同じく、妙算も感じ取ったのか、大声で来るぞ、と言った。
 皆が地に伏すと同時に、大筒の弾が仙石隊を襲った。死者は出ず、皆無事であった。体勢を立て直し、次の砲撃までにさらに進む。権兵衛は奇襲部隊が現れなかったらこのまま突入するつもりであった。しかし、すでに盾がもたなかった。
 そんな中奥田兄弟が妙算に声を掛ける。二人で櫓に射掛けるから隙をみて狙撃をして欲しい、と。それは妙算にとっても喜ばしい提案であった。妙算は二人が他家に行かなくて良かったと感謝を述べた。
 先頭に立つのはサジ。それに続いて、仙石隊はさらに門へと突き進む。


 いよいよ、虎口攻めスタートですね。試し合戦の成果が出てますね。同じ家なら城は作りが同じ、ってのは守り方に法則があるからですね。別の城に行っても同じ守り方ができると言う。ドクトリンって言うんでしたっけ?権兵衛のたとえは分かるようで分からないですね。
 奇襲がある事を織り込んでの付け入り作戦。ですが、奇襲を織り込む済みと言うと戸次川を思い出してしまうけど…まぁ、あれも家久が神憑らなければ勝ちそうだったので大丈夫かな?
 一心不乱に門を攻める権兵衛達。ギミックが大筒だけでは無いと思うので北条方の笠原がどう奮闘するのかも楽しみですね。
 そういえば才蔵は寝過ごしたんですね。今は引き返しているけど。彼の活躍も楽しみです。あと、高虎がいればと思ったけど、小田原では別の所にいたのかな?また調べてみようかな。

2019年8月4日日曜日

無用の時代と大事なもの

 先週のセンゴク権兵衛の感想。

 小田原城の虎口攻め。秀吉は早川口を担当する堀久太郎の手腕に期待していた。
 しかし、病に倒れた久太郎は撤退。ヤマイヌの計は中止となっていた。

 殿軍となった仙石隊と牢人衆。権兵衛は妙算に虎口攻めの是非を聞く。妙算が肯定すると、権兵衛は皆に大声で言う、このまま逃げるか、虎口を攻めるか、と。

 権兵衛は更に言う。
 策も中止だし、上からの命令も無い。落としても武功にはならない。
 それでも何故戦うのか。それは権兵衛が色んな縁から学んで出した答えだった。
 出世し名を挙げても、まやかし。天下人に成っても落書き一つに怯え腹を立てる。
 八千七百度のお参りを経て権兵衛は出世や功名は無用と考えるようになった。すべては周りに流されているだけだと。
 権兵衛には己の中にもっと大事なものが出来た。それを今、皆とぶっ放したい。そう言った。

 権兵衛の言葉に出来なかった、それ。妙算は、生き様、と言った。

 権兵衛は続ける。色んな思いから、己の中から生まれる大事なもの、生き様。
 虎口を陥落させ、生き様を示そう、そう大声で叫ぶのだった。

 妙算は、下らない説法を覚えた、と言い。言えば言うほど説得力なくなると権兵衛の言葉を止めた。
 すでに、仙石隊だけならず、牢人衆も権兵衛と同じ気持ちに成っていたのだった。
 士気は十二分に高まっていた。

 権兵衛は北条にも声をかける。逃げるなら今のうち、と。
 北条は困惑した。知らぬ無の旗に羽織の鈴も理解が及ばなかった。
 権兵衛は言う。戦の世は終わりだと。合戦が無くなれば武士はいらんし、大名諸侯も無用の飾りになる。無用に成っても生きる為には己の中に大事なものを持っていなければならない。
 権兵衛は北条兵には分からんだろうと言い、無の旗を立てると宣誓した。

 
 北条側の守将笠原正厳の元に敵の詳細が告げられる。掘秀政の首には及ばぬが、元大名なら挽回の武功には十分と考えた。
 部下は城の守りが第一と言うが、正厳はあくまで首を狙う。
 正厳は重代の筆頭家老松田家出身の彼は以前主家を裏切った。そして赦された時に僧名「正厳」を号したのだ。
 彼は必ず仙石秀久の首を取る、そう誓うのだった。


 権兵衛らしい演説でしたね。全てを失ってから得たもの、それが今の権兵衛を形作っているんですね。心強いですね。
 ただ、権兵衛の言葉を聞いてると、じゃあ秀吉はどうなんだろう?って感じになります。その後を考えると権兵衛のような考えに至れなかったのかな、って思ってしまいます。無論、小田原以降も話が続けば、また変わるのかな?
 さて、最後の相手は笠原。松田憲秀の息子で、彼も失敗して挽回を狙ってます。果たして虎口攻めがどうなるか。楽しみですね。

2019年7月21日日曜日

権兵衛と久太郎

 先週と今週のセンゴク権兵衛の感想。

 寅の刻。空が白んで、夜明けが近づく。
 そんな中、権兵衛の元に掘監物が現れる。そして告げる、堀隊は退却する、権兵衛も退却の下知をするように、と。
 当然、権兵衛には理解出来ない。監物に仔細を聞こうとする。しかし、取り付く島もなく、監物は退却を告げる。
 権兵衛は久太郎はそんな奴では無い。そう思い、久太郎の元に行こうとする。しかし、監物は実力で止めようとする。
 そして、ついに権兵衛が謀反したと言ったのだ。
 仙石隊と堀隊との間に緊張が走る。それを大声で止めたのは森村吉であった。村吉は権兵衛がかつての猪武者では無いと言い。そして、堀隊も仙石隊や徳川を裏切らぬ、殿の知音を信じるように諭した。
 続いて藤兵衛も、権兵衛の友を見る目は秀でていると続けた。
 この言葉に監物は考えを改め、非礼を詫、権兵衛を九太郎の元に案内する。

 堀久太郎が乗っている船に案内された権兵衛。そこで見たのは、口から血を吐き、近習に支えれた久太郎の姿だった。

 早川口を守る笠原正厳は父、松田憲秀と協議していた。正厳はかつて国に背いた為、挽回を望んでいた。しかし憲秀は相手が堀秀政と知り、軽率に打って出ることに否定的であった。
 しかし、正厳の熱心な言葉についに折れ、秀政の首を取るように言うのだった。

 
 堀久太郎は息も絶え絶えであった。しかし、彼は戦うつもりであった。そんな久太郎に権兵衛は馬鹿を云うな、と言った。権兵衛を指差す久太郎。権兵衛にはその意図は直ぐにわかる「お前が言うな」である。
 権兵衛は、久太郎の状態を見て、退却を決める。それは久太郎の求める美しい戦では無いからである。
 権兵衛は殿軍は自分がすると言う。出会った時を思い出し、久太郎に命を拾ってもらったから、そう言った。
 久太郎は脇差を抜き、権兵衛に向ける。それはまるで、出会った時に刀を向けどう生きる、と問うた時のようであった。
 権兵衛は、わかっとる、と答えた。

 権兵衛は監物に退却と殿軍の話をする。そして、旗と武具、城攻めの用具も一応残すように言う。更に、池田隊へ策の中止を伝えるように頼んだ。
 監物は完遂したら、殿軍の武功を申し上げると約束した。

 後の石垣山では城普請が大急ぎで進められていた。それを見回る秀吉。
 今朝は掘隊らが抜け駆けの城攻めが行われる日。秀吉は名人久太郎のお手並み拝見と言うのであった。

 北条側、笠原正厳に、敵の退却が伝わる。しかし、相手の旗印は掘である。久太郎の謀を警戒して、まずは射撃に務めるのであった。

 権兵衛達は盾で防御しながら、浅瀬に乗り上げた船を押していた。
 戸次川よりましだ、と言いつつ味方を鼓舞する権兵衛。
 見事、船を浮かす事に成功。続いて武器弾薬や攻城具を船から受け取る。
 受け取った鉄砲を権兵衛は謎の覆面男に渡す。そう妙算である。
 権兵衛は知ってか知らずか彼に言う。挽回の助けに来てもろうたが失敗だと。
 そして言う。邪気払いにあの虎口を攻めないか、と。
 妙算は言う。いいんじゃないか、と。


 とうとう、虎口攻めが始まりますね。
 久しぶりの登場の九太郎はもうすでに……って感じですね。五月の終わりには亡くなっているでしたっけ。あの時出会った二人の運命がここで分かれる、って事ですかね。ものすごい伏線回収ですね。
 因みに、久太郎がここで亡くなるの全然知らなくて、小田原城近辺をマップで調べていたら……それで権兵衛と久太郎なんだな、とガッテンがいきました。

 権兵衛は殿軍と言っていたけど最初から自分たちだけで虎口を攻めるつもりだったんですね。それが権兵衛の生き方、なんでしょう。
 妙算の事も気づいている、ですよね。権兵衛の事だから気づいてなくてもおかしくないけど。後、可児才蔵もいたから、虎口攻めに加わるのかな?

 とにかく、いよいよ挽回の為の戦いが始まります。

2019年7月7日日曜日

そして夜は空ける

 今週のセンゴク権兵衛の感想。

 波風に紛れての仕寄り作りは北条に気づかれすに進むかと思われた。
 しかし、氏直は篝火をけさせるのであった。
 氏直は新月の夜襲を警戒していた。故に、目印になる篝火を消させるのだ。
 配下の者は自軍の監視が出来なくなると難色を示す。しかし、氏直は味方は信じるもの、と言う。そして、兵が守護を怠るのは北条の政に怠惰があるのだ、と言う。

 北条の篝火が消えていく。
 襲撃の第二陣の池田隊は困惑する。敵に夜襲を看破された懸念が生じる。
 照政は第一陣の伝令を待って判断することにする。夜襲の断念も視野に入れて。

 篝火が消えた事は、第一陣の仙石隊にも不安の種を与えた。
 直後に敵から発砲される。敵に気付かれた、皆に緊張が走った。
 しかし、とある者が言う。威嚇射撃だと。
 権兵衛はその通りだと思い直す。しかし、物言いが不遜であった為に、明るくなったらぶん殴ると言った。
 権兵衛は威嚇だ、と言い配下の者達を励ます。
 そうして、発砲音が鳴り響く中、仕寄の制作が再開される。

 北条方は気づいていた。それを確かめる為の発砲であった。
 早川口の担当の笠原正厳は報告を受けると、父と評定すると言い、現場を離れる。
 配下の者達は威嚇をやめ、明け方の襲撃に備える事にした。

 仕寄も出来、万全の態勢に思われた。しかし、掘監物より知らせが届けられる。どうやら良くない知らせのようだ。


 順調っぽいけど、敵方も着実に備えて来てますね。厳しい戦いになりそう。
 そして掘隊より齎される報告は何かな?
 池田隊が引いたか、それとも久太郎に関する事かな?その時はもう少し後みたいだけど。
 それと、妙算がいる事は確定かな?この後、どんな会話するか楽しみですね。

 いよいよ、夜明け。不安な事も多いけど、この後が楽しみですね。

2019年6月23日日曜日

渡河開始

 今週のセンゴク権兵衛の感想。

 早川渡河。その評定を開く前、権兵衛の前に一人の男が現れた。伊賀衆の仁江である。
 付近の物見をしていたのだ。仁江は情報の引き換えに、掘秀政へのおとりなしを権兵衛に要望する。権兵衛は快諾して、仁江も評定に加わるのだった。

 評定は権兵衛に管平右衛門、仁江。そして、堀家からは掘直政が加わった。
 まずは仁江が物見の報告をする。
 今宵は大潮。満潮は深夜である。仕寄の予定地は草摺まで水没する。
 そして早朝寅の刻より潮が引き始め、二刻後の辰の刻には干潮になる。
 平右衛門は言う。
 深夜に陸風にて海に出て、上げ潮で川に侵入し仕寄を作る。引き潮になるまでに完成させる。
 掘直政が続けて言う。
 新月の闇夜、潮入の音に紛れて水没地に仕寄を作る。そうすれば、北条は朝に突然仕寄を見ることとなる。名付けて「一夜仕寄りの計」である。

 懸念されるのは座礁だが、平右衛門曰く、やらなきゃわからん。
 また一回に渡河出来るのは五百が限界である。こちらには、直政は問題ないと言う。
 
 兎にも角にも、出鼻で挫けば策は台無しである。更に豊臣徳川間にヒビが入る。
 権兵衛は言う。その時は目付の自分が責任を負う、と。そして皆の力を信じる、と。

 覚悟は出来ていた。すべてを背負う覚悟をするため七千九百度も参っていたのだ。
 今度は逃げん、そう覚悟する。

 五月朔日、宵。
 星空は見えるが、波風は高かった。しかし、平右衛門はこんな時渡河するとは敵も思わないと言う。
 仙石隊、掘隊、牢人、合わせて五百騎が船に乗り出港する。
 それに合わせ伝令が池田、黒田、徳川の順に走る。
 大荒れの海、敵の篝火を目印にしつつ進む。そんな中、船が止まり座礁する。
 しかし、平右衛門は慌てない。座礁するなら、ここが陸だと言う。そして、権兵衛の勘もそう言っていた。
 権兵衛達は暗闇の中、荒れ狂う早川に入り、仕寄を作り始める。



 まさかの、仁江の再登場ですね。本当に様々な縁が繋がってますね。
 そしてもう一人、船に乗った男が気になります。最初は秀政だと思ったけど、妙算っぽくもあるんですよね。誰なんでしょうか。
 荒れ狂う川の中、仕寄の制作を開始しましたが、すんなり行くのでしょうか?今後がたのしみですね。
 
 そういえば一夜仕寄りの計って一夜城みたいなものですね。そういえば、まだ石垣山城は出てないですね。ただ本陣を造っているってだけで。これが伏線になるのかな?

2019年6月16日日曜日

再びのヤマイヌの計

 センゴク権兵衛第139話と140話の感想。

 
 官兵衛が家康に提案したのは「ヤマイヌの計」。
 囲んでいる味方で城に一斉に迫り、混乱させ、虎口を取る策である。
 そして、官兵衛は家康も同じ考えに至り、徳川と豊臣の連繋の取次役として自分を呼んだと推察した。

 官兵衛は権兵衛を伴って諸将の根回しに向かう。因みに権兵衛は土下座担当との事。
 
 北東の信雄は目上ゆえ動かぬ。北は官兵衛が受け持つ。問題は北西、山中城で疲弊した面々であり、了承は得にくい。さらに宇喜多は立場上殿下の命令なしでは動けない。了承を得るのは困難である。

 結果は官兵衛の予想通りであった。とは言え、想定内である。
 西は池田隊の了承を得た。残るは南西の堀秀政である。官兵衛は、彼も山中城で兵を動かしているので、了承を得るのは難しいと考える。しかし、権兵衛は秀政は皮肉を言いながらも了承するだろうと言う。

 権兵衛の言う通り、了承は得られた。しかし、官兵衛にすら会わなかった。豊臣内での派閥争いが為か。だがそれにしては、なぜ援助を了承したのか。官兵衛は訝しんだ。
 だが、権兵衛は言う。性根は変なやつだと。かつては狂太郎と呼ばれていた、と。

 とかく、四方の仕寄りは完成した。
 堀隊より攻撃を開始し、池田、黒田と攻撃を順に仕掛け、最後に徳川が渋取口前の出曲輪を取る。決行は五月朔日の新月の夜である。

 権兵衛とその配下達に、遂に挽回の刻が巡ってきた。

 北条氏直は言う、晦日朔日の新月に気を付けろ、と。本能寺の変も新月の夜陰に行軍し、翌二日に決行された。豊臣もまた、夜陰に紛れて城攻めをするだろうと予測したのだ。
 そして、どの虎口が責められても混乱せずに、己の持ち場のみを守れと言う。
 そんな氏直を見て兵は、宗瑞公の生き写しと称えるのであった。

 豊臣軍の兵站はギリギリであった。数ヶ月では落城せず、冬に入り雪でも降れば包囲不能になる。そして、退却すればそれこそ北条の待望の時であった。
 北条の戦法は敵の撤退時の追撃戦。謙信の時も信玄の時もそうして防いできた。
 それは一度攻めかかれば退くことは赦されないのである。

 家康と正信の元に権兵衛が呼ばれる。正信は権兵衛に一つ気がかりがあると言った。それは秀政に会えなかった事である。家康や正信は彼の裏切り、すなわち兵を出さない事を気にしていたのだ。そして言う、腹を斬る覚悟はあるか、と。
 権兵衛はわかりました、と言った。
 家康は言う、秀政のために死ぬのかと。
 権兵衛は言う。死ぬ気は無いと。そして秀政が裏切る事は有り得ないと言う。秀政はひたすら「巧みに美しゅう」働くことしか考えてないから、そう権兵衛は語るのだった。
 家康は理解し、続けて命を下す。掘隊の目付となり、その後、池田、黒田と伝令に走り、最後に徳川の陣に戻れと。

 自分の陣に戻って、命令を伝える権兵衛。その手には高野山の者達から貰った鈴を着けた陣羽織があった。これで目立つ為であったが、部下たちには不評であった。そんな事もあり、着るのをやめようと考えると今度は皆が着るように言ってくるのであった。

 さて、秀政の陣に行き、早川口を眺める権兵衛。
 しかし、この場所は早川の河口。作戦の決行時には潮の影響で陸地は水没、更に潮の逆流も有り得る、難関の地である。如何に渡るのか。
 権兵衛はすでに手配していた。かつて戦った管平右衛門に書状を送っていたのだ。
 現れた平右衛門は面を合わすと直ぐに、権兵衛に強烈な拳骨を食らわす。そして、言う本能寺の変の時に助命した借りは返したと。


 鳥取城でも使ったヤマイヌの計、再びですね。
 順調に策の準備は進むも、北条は何か仕掛けてくることを読み、兵に動揺するなと命令を出してます。うまくいくのか、難しそうですね。
 
 権兵衛としては、縁も繋がり挽回の時に向けて進んでます。平右衛門の助けも得られました。あとは、可児才蔵や妙算がいつ出てくるかですかね。そこも気になります。

 そして久太郎。未だ顔を見せてないけど、この先どうなるか心配ですね。何かしらの見せ場はあるとは思いますけど。

 兎にも角にも、その時が楽しみでなりません。

2019年5月26日日曜日

力攻めへの方策

 今週のセンゴク権兵衛の感想。

 遂に、小田原を包囲した豊臣軍。蟻の這い出る隙もない、空前絶後の包囲網。
 しかし、北条の士気は依然高いままであった。
 秀吉は官兵衛に訪ねる。辯士衆を使った、敵の士気を下げる作戦はどうなったかと。
 官兵衛は答える。民衆の北条への忠誠のが勝っていると。
 内部崩壊をさせる事は出来なかった。と、なると力攻めしかない。
 だが、山中城でさえ多くの味方が犠牲になった。その倍近い大きさの小田原ならどうなる事や……。圧倒的優位にも関わらず、豊臣軍は攻め倦ねるのであった。

 当初は楽観していた秀吉だが、長期戦になると考えを変える。
 その中で、自分だけでなく、諸将の妻子を呼び逃亡や謀反を出さぬようにする。
 そして、そんな中、家康や信雄が謀反すると言う風聞が飛び交った。

 家康を訪ねた秀吉。無論、家康はそんな事はないと言い切る。しかし秀吉の心配はそこでは無かった。その風聞が飛び交っている事自体、北条が優勢と民衆が思っている。そう秀吉は考えるのだ。
 秀吉は続ける。力攻めはしたくない。しかし、敵に力攻めがない、と思われるのも良くない。然らば、誰かがこの役を買って出ないだろうか、と。
 家康と共にこれを聞いた正信は、徳川がやれ、と聞こえた。しかし、家康は実際に口にはしてない、と言う。そして秀吉は、勝手に勇んで力攻めする者が入れば、その勝敗に関わらず豊臣の威信は傷つかない、そう考えているのではと言う。

 秀吉の命を受け、官兵衛は渡辺了に会っていた。先走って戦う者を探していたのだ。
 しかし、渡辺はこれを断る。山中城で黄母衣衆に手柄を持っていかれた事に立腹していたのだ。さらに渡辺は、自分は中村家の者、やるなら官兵衛自身の家来を使えばいいのでは、と言ったのだ。

 渡辺に断られた官兵衛。次に思い出したのは権兵衛だった。しかし、今度負けたら打首にせんわけにはいかない。ないな、と思い苦笑する。
 そんな彼に、人の面をみて苦笑いするなとのいちゃもんが飛んでくる。なんと、今考えていた人物、仙石権兵衛その人であった。
 どうやら、権兵衛は官兵衛を探していたのだ。その目的は徳川からの伝令だ。
 曰く、徳川が力攻めを買ってでるとの事だ。
 官兵衛は驚き、嘘ではないかと訪ねるが、本当だと言う。
 曰く、負けなければよい。すなわち、虎口を落として勝ちにすればいいとの事だ。
 官兵衛は、権兵衛がかなり話を端折っている、と言う。しかし権兵衛は賢ければ、一を聞いて十を知れと開き直る。
 そして、城攻めの助言を官兵衛から得るようにとの家康自らのお達しである、と言う。
 権兵衛の話を聞き、家康のお達しとあれば謹んでお受けいたすと言ったのだ。


 と、言うわけで繋がる縁の中で、着々と権兵衛の逆転劇へと進んでますね。

 有利に進めているはずの豊臣が逆に攻めあぐねています。実際、兵站はギリギリと言う話は聞きますね。もう少し粘っていたら豊臣の方が瓦解してたとか。終始、豊臣の優勢って話が多いけど実情は違うものですね。大坂冬の陣でも徳川の士気がダダ下がりって話も聞くし、包囲するだけって包囲する側も大変なんだろうな。血の気の多い者達にとっては尚更。

 とにかく、様々な縁が結ばれ早川口の戦いへと繋がって行きそうです。堀久太郎の出番に期待しつつ、次回を楽しみに待ちます。